東海、関東甲信越、東北の各地で河川の氾濫を引き起こした台風19号。
日本共産党の国会議員、地方議員は、被災現場にかけつけ被害状況を確認し、住民の要望に耳を傾けました。
多摩川や支流の氾濫で濁流が襲った東京都世田谷区の住宅街では、台風19号の吹き返しで土ぼこりが舞うなか、住民らが泥水のかき出し作業に追われていました。
東急二子玉川駅から南に歩いて10分ほどの世田谷記念病院(198床)は、1階の診察室や地下にある調理室が浸水しました。
病室は上の階にあるため、けが人は出ませんでした。
看護師の女性は「泥まみれで手に負えない状態です。食事の提供ができないので、受け入れが可能な医療機関に入院患者を搬送しています」と慌ただしい様子で語りました。
付近の住宅や自動車整備工場も床上まで浸水しました。
午前中に幼い子どもを連れて避難所から自宅に戻った女性(38)は「1階は水浸しです。まだ住んで10年ほどですが、初めてのことで気が動転している」と言います。
下流に2キロほど離れた玉堤地区も道路のガードレールの高さまで浸水しました。
泥水に漬かった理容室の男性(76)は「入り口に段差があって泥を外にかき出すことができないので、雑巾などでふき取るしかない。連休明けには再開させたいが…」と困惑した様子でした。
日本共産党の吉良よし子、山添拓両参院議員は同日、台風19号による多摩川氾濫の被害を受けた東京都世田谷区の病院、保育園、住宅地を回り、要望を聞きました。
里吉ゆみ都議、江口じゅん子区議が同行しました。
東京都町田市では、土砂崩れが発生。日本共産党の池川友一都議と町田市議団(佐々木とも子、田中美穂、細野りゅう子の各氏)は現場を調査し、被災した住民から要望を聞きました。
同市下小山田町で発生した土砂崩れでは、市道と民家への進入路が土砂で埋まりました。民家を管理する男性(77)は、「市は『私有地の土砂は撤去できない』と、市道部分だけ整備していった。昨年の台風で崩れたときは、土砂の撤去だけでなく土のうも積んでくれたのだが…。せめて同じ対応をしてほしい」と要望しました。
池川都議は「直接伺った被災者の声を行政につなげるとともに、今後も取り組みを強めていきたい」と話しています。
東京都あきる野市では台風19号で秋川が氾濫し、北岸の山田下分(しもぶん)地区では泥流が住宅に流れ込む被害が出ました。
日本共産党の笠井亮、宮本徹両衆院議員、山添拓、吉良よし子両参院議員は13日、たばたあずみ、松本ゆき子両市議とともに現地を調査しました。
秋川にかかる秋留橋の南岸では川沿いの擁壁が崩落し、擁壁の上に建つ住宅が陥没していました。
住民の男性は「避難している間に、地盤がゆるんで家が陥没した。23年間住んでいるが、こんなことはなかった。家は床が抜けていて住めないので、取り壊すしかない」と語りました。
山田下分地区では、地区に入る唯一の道路が陥没し、泥流が最高で地上2メートル近くにまで達していました。
ボランティアが、住宅内に流れ込んだ泥をかき出していました。
住民の男性は「道路が陥没して、重機が入らない。民間のグラウンドを重機が通れるようにしてほしい」と訴えていました。
笠井議員は「住宅が住めなくなっている状況もあり、住宅の確保や復旧をはじめ、あらゆる手だてを国や都、市が取るよう、求めていきたい。護岸などの対策の検証も必要だと感じました」と話していました。
(2019年10月14日付「しんぶん赤旗」より)