安倍政権が導入する高等教育の修学支援制度と引き換えに、国立大学の授業料減免制度が廃止される問題で、各大学における現行の減免対象者の減少数が明らかになりました。
横浜国立大学では、支援が減る学生が全国平均(53%、文部科学省調査)を上回る60%にのぼるなど大きな影響を及ぼす内容です。
日本共産党の山添拓参院議員事務所の問い合わせに対し18大学が回答を寄せたものです。
それによると、支援額が減少する学生の割合は横浜国立大60%、千葉大59%、信州大55%、名古屋大54%など、16大学で軒並み約50~60%の学生が支援を減らされます。
このうち支援そのものが受けられなくなる割合は、全国平均28%に対して名古屋大37%、電通大35%、九州大33%、東大31%などとなりました。
支援が減る人数では、九州大715人、信州大550人、北海道大498人、千葉大467人などとなっています。
減免対象者が減少するのは、現行制度は中所得世帯も支援対象なのに、新制度では住民税非課税世帯とそれに準じる世帯に限定しているためです。
共産党の小池晃書記局長が参院の代表質問(9日)で対策を求めたのに対し安倍首相は、継続的な支援について「来年の制度施行までに検討する」と答弁しました。
消費税財源による高等教育無償化で、現在減免を受けている学生の半数が対象から外される事態は深刻であり不合理です。
国立大学が法人化された際、学費値上げを許すなという声が広がるなか、東京大学では世帯年収400万円未満の学生が授業料免除となりました。
私も学生自治会で取り組みましたが、各大学の減免制度は運動によって拡充させてきたものです。
増税と支援外しで二重の負担増を強いるなど許されません。
安倍首相が表明した継続的な支援を直ちに具体化することや、現行の減免制度の拡充を求めていきます。
(2019年10月19日付「しんぶん赤旗」より)