昨年2018年、米軍横田基地(東京都福生市など5市1町)に配備された特殊作戦機CV22オスプレイについて、最も重大な「クラスA」の事故率(10万飛行時間あたりの事故数)が2年連続で前年度を上回っていることが、米空軍が公表した2019会計年度(2018年10月~2019年9月)の最新統計で分かりました。
統計によれば、「クラスA」事故率は2017年度が4.05だったのに対し、2018年度は5.84、2019年度は6.22と上昇。米空軍の有人機の中では最多です。
また、「クラスB」事故率は40.42で、2番目に多いB1戦略爆撃機の18.60と比べて突出しています。
統計によれば、2019年度は「クラスA」事故が1件、「B」が3件発生しています。
「クラスA」は死者または200万ドル(約2億2,500万円)以上の損害が出た事故。
「クラスB」は重い後遺症か50万~200万ドルの損害発生と定義しています。
米軍内では、担当者の責任逃れでクラスを下げる改ざんが横行しているとの指摘もあり、クラスA相当の事故はさらに多い可能性もあります。
CV22の事故率の高さは以前から指摘されていましたが、防衛省は「10万時間に達しない機種の事故率は意味がない」と弁明していました。
しかし、統計によれば、CV22の総飛行時間は今年9月末現在で9万6,485時間に達しており、10万時間は目前です。
米空軍は昨年4月、横田に5機のCV22を暫定配備し、10月から正式配備。首都圏の人口密集地上空で傍若無人な訓練を行っています。
「横田基地の撤去を求める西多摩の会」の高橋美枝子代表は、「いつ墜落するのか心配でたまらない。事故の詳細を隠したまま、CV22が特殊作戦のための危険な訓練を私たちの上空で続けることは本当に許せません」と憤ります。
(2019年11月7日付「しんぶん赤旗」より)