日本共産党の田村智子議員は7日の参院内閣委員会で企業主導型保育で助成金詐取などの問題が相次いでいる背景にある貧弱なチェック体制や政治家の関わりをただしました。
田村議員の質問に、内閣府は、問題発覚による助成決定の取り消しなどで返還を求めている助成金は約11億2,000万円で、助成金詐取の疑いで役員が逮捕されたコンサルタント会社「WINカンパニー」(福岡市)関連だけで約9億円にのぼることを明らかにしました。
田村議員は、整備完了が報告されていた同社関連の保育園が更地だったことに触れ、「現地で確認すれば、まともな事業者でないと分かったはずだ」と指摘。
また、「しんぶん赤旗」日曜版が報道した同役員と秋元司・前内閣府副大臣の深い関わりを追及し、秋元氏の参考人招致を求めました。
さらに、今回の問題で同社関連の保育園で保育の継続が危機に陥っても、内閣府には、まともな対応をさせる能力も体制もないことが露呈しており、このまま企業主導型保育を続ければ同じ問題がおきかねないと大臣の認識をただしました。
衛藤晟一少子化対策担当相は、事業を所管する内閣府も現在の実施機関も「チェック機能をもたなかったことは恐らく事実だ」と認めましたが、「書類審査だけでなく実地の検査、指導ができる(新たな)実施機関を公募している」と事業は進める姿勢を示しました。
田村議員は、最初の実施機関の公募でも、資格を満たした応募事業者が2事業者しかなく、低評価でも現在の実施機関を選んで見切り発車したと指摘。安倍政権の目玉政策だからとまた拙速を重ねるのは許されないと批判しました。
(2019年11月8日付「しんぶん赤旗」より)