衆院経済産業委員会は15日、情報処理促進法改定案を賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。
日本共産党の笠井亮議員は反対討論で、同改定案は消費者保護や安全確保分野などの規制緩和を進めるもので、日本のぜい弱な個人情報保護制度のもとで、個人情報をデータビジネスにさし出すことになると主張しました。
笠井議員は、政府が導入しようとしているクラウドサービス(インターネット経由のデータサービス事業)の採用に、国内データセンターの設置を条件としていない問題を指摘。
「海外クラウド企業の本国でシステム障害が起きた場合に、政府調達の信頼性や国民生活に重大な影響をもたらしかねない」と強調しました。
さらに笠井議員は、同法案が「サイバー攻撃に対して先制攻撃や武力攻撃も辞さないという米国の『国家サーバー戦略』に日本を深く組み込むことになる」と批判しました。
これに先立つ13日の同委員会質疑で、笠井議員は、4月の日米安全保障協議委員会(2プラス2)で確認されたサイバー攻撃への対処について質問しました。
防衛省の石川武防衛政策局次長は「一定の場合にはサイバー攻撃が日米安全保障条約にいう武力攻撃に当たり得ることを確認した」としたうえで、サイバー攻撃の場合に自衛隊は必要な武力行使が可能だと述べた当時の岩屋毅防衛相答弁を確認しました。
笠井議員は、同法案でサイバー監視活動・情報集約を担っている独立行政法人情報処理推進機構(IPA)について「すでに米国のサイバー軍と密接な関係にあるのではないか」と追及。
経産省の西山圭太商務情報政策局長は、IPAの中核人材プログラムで特別講義の講師として、元米国国家安全保障局長兼サイバー軍司令官のキース・アレキサンダー将軍と元米国国家情報長官のデニス・ブレア提督という米軍関係者の2人を挙げました。
(2019年11月16日付「しんぶん赤旗」より)