桜を見る会私物化 首相疑惑さらに深まる/宮本徹衆院議員らが追及

税金を使った公的行事「桜を見る会」を安倍晋三首相が私物化していた疑惑について、野党は20日の衆院内閣委員会や安倍晋三首相が出席した参院本会議でいっせいに追及しました。

招待者選定への関与や、1000人もの首相推薦枠のほか、「前夜祭」をめぐる従来の説明との重大な矛盾などが明らかになり、安倍首相自身の私物化疑惑はさらに深まりました。

 icon-arrow-circle-right 論戦ハイライト

自身の招待枠1000人 昭恵夫人分も

衆院内閣委員会での日本共産党の宮本徹議員の質問で、今年の約1万5千人の招待者のうち、過半数が自民党と政権中枢の推薦枠だったことが明らかになりました。

その内訳は、菅義偉官房長官によると、自民党関係者の推薦が約6千人、安倍首相の推薦が約1千人、副総理、官房長官、官房副長官の推薦が計約1千人でした。

「長年の慣行でだんだんと人数が増えた」と釈明した菅氏に、宮本議員は「安倍政権以前は(招待客は)1万人前後を守っていた。安倍政権になってから急増したのであり、首相の責任は重大だ」と指摘しました。

宮本徹議員

質問する宮本徹議員=20日、衆院内閣委(Web版「しんぶん赤旗」より)

また、安倍首相の妻・昭恵氏による推薦も明らかになりました。宮本議員に、大西証史内閣審議官は「安倍事務所で幅広く参加希望をつのる過程で、夫人からの推薦があった」と認めたのです。

宮本議員は「実態は、総理夫人も自分の仲間、関係者をどんどん呼んでいた。これを私物化というのではないか」と批判しました。

政府・内閣府が国会での桜を見る会への追及を逃れようと、政権の都合のいいように、招待者名簿を「遅滞なく」廃棄したのではとの疑惑も深まりました。

宮本議員は、同氏が質問作成に向けて内閣府に資料要求をした当日(5月9日)に同府が招待者名簿を廃棄したとしているとして、「国会で言い逃れをするためではないか」と迫りました。

内閣府の大塚幸寛官房長が「シュレッダー(の使用)の調整のためだ」と強弁。
宮本議員は「電子データの破棄はシュレッダーでは説明がつかない」と指摘し、「資料要求の日に名簿を破棄する。民主主義の危機だ」と批判しました。

推薦関与も認める

参院本会議では、日本共産党の紙智子議員、立憲民主党の那谷屋正義議員が、招待者選定への安倍首相の関与などについて追及しました。

安倍首相は、桜を見る会の推薦依頼について「私の事務所が内閣官房からの推薦依頼を受け、幅広く参加者を募ってきた」と答弁。
「私自身も事務所から相談を受ければ、推薦者について意見を言うこともあった」と述べ、後援会員の推薦への自身の関与も認めました。

また、「桜を見る会のおおむねの参加者数を推測することはできたし、現場においてもどれくらいの人数が集まっているかを聞くことはあった」と述べ、安倍事務所による大量の後援会員招待も把握していたことを認めました。

一方、8日の参院予算委員会で、「招待者の取りまとめ等には関与していない」と答弁していたことについて、安倍首相は「(内閣府が行う)最終的な取りまとめ等には一切関与していない」などと主張し、「答弁が虚偽だったとの指摘は当たらない」などと強弁しました。

前夜祭主催「安倍後援会」

さらに、桜を見る会の前夜祭について、安倍首相は「主催者は安倍晋三後援会で、各種段取りは私の事務所の職員が会場であるホテル側と相談している」と認めました。

一方で「その過程においてホテル側から見積書等の発行はなかった」「ホテル側への事前の支払いは行っていない」と答弁しました。

(2019年11月21日付「しんぶん赤旗」より)

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