税金を使った公的行事「桜を見る会」の安倍晋三首相による私物化疑惑をめぐり、日本共産党の田村智子議員は21日の参院内閣委員会で、安倍首相の妻・昭恵氏の招待者選定への関与や安倍首相自身、自民党が選挙当選のために「桜を見る会」を利用しゆがめてきた疑惑を追及。
いずれも安倍首相自身が説明すべき問題だとして、首相出席の衆参両院の予算委員会の開催を求めました。
安倍首相が招待者の選定について「推薦者について意見を言うこともあった」(20日、参院本会議)と関与を認めたことに対し田村氏は、「招待者の取りまとめ等には関与していない」とした8日の安倍首相の答弁(参院予算委)について、「これほど明々白々の虚偽答弁はない」と批判しました。
安倍昭恵氏が招待者選定に関与していたことを重ねて追及した田村氏に対し、菅義偉官房長官は「夫人が意見を言ったということはある」と答弁し、安倍事務所との直接のやりとりを認めました。
さらに、記録を破棄した内閣官房を除く各省庁からの今年度の推薦者数の合計は3041人であると資料を示した田村議員。
首相枠の約千人をはじめ、自民党関係者の推薦枠が約6千人と招待者の半数以上を占める実態に、「安倍政権の下で、各界の功労者ではない人がなぜ増えたのか、国会の場で全て明らかにし検証すべきだ」と訴えました。
田村議員は、2016年に内閣府が各省に示した招待者推薦名簿記入要綱において「推薦枠の厳守」が明記されているにもかかわらず実際の参加者が大幅に増加したと指摘。自民党の世耕弘成参院幹事長が「改選議員には慣例的に『枠』を多く割り当てていた」と述べたことに触れ、「2016年には参院選挙があった。選挙の当選のために『桜を見る会』が利用されてきたのではないか。詳細を明らかにすべきだ」とただしました。
加えて、内閣府が3月に「桜を見る会」の招待状を正式に発送するのに先立って、安倍事務所が2月には参加を確定する文書を発送していた問題を追及しました。
(2019年11月22日付「しんぶん赤旗」より)
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