日本共産党の山添拓議員は26日の参院法務委員会で、冤罪事件を取り上げ、再審無罪判決を得るために時間がかかる背景に、警察と検察の違法な取り調べや証拠隠しがあると批判し、再審段階における証拠開示ルールの必要性を訴えました。
「布川事件」で再審無罪が確定した国家賠償請求訴訟判決(5月27日)では、東京地裁が、警察官の捜査の違法性に加え、検察官が証拠開示を拒否した違法性に言及しています。
判決への認識をただした山添議員に対し、森雅子法相は係争中を理由に答弁を拒否。
山添議員は「捜査、公判のあり方について真摯な反省を行っているか疑わしい」と批判しました。
山添議員は、湖東記念病院で死亡した患者に対する殺人罪で12年間服役した、元看護助手の再審開始決定(3月18日)で、再審請求における証拠開示が不十分だったと指摘。
自然死の可能性を示す証拠など、県警から検察に送致されていないものが多数あるとただしました。
「どう送致するかは個別事案で異なる」と開き直る警察庁の太刀川浩一審議官に対し山添議員は、「再審どころか起訴する前提すら欠いていたのではないか」と批判。
捜査機関のもとにある全ての証拠の一覧表を作成し、閲覧機会を与えるなどルールの必要性を強調しました。
(2019年11月29日付「しんぶん赤旗」より)