東京都の小池百合子知事は3日開会した都議会定例会の所信表明で、今ある都立病院8病院を都保健医療公社の病院とともに地方独立行政法人化する方針を示しました。
独法化には「利用者の負担増や不採算医療の後退につながる」と都民から批判があがっています。
都立病院は救急医療や小児・周産期医療、難病医療、精神医療、島しょ医療などを担う拠点として機能していましたが、石原慎太郎都政(1999~2012年)が16病院から8病院にまで減らしました。
都が設置した都立病院経営委員会は昨年1月、直営を維持していた8病院についても、地方独立行政法人への移行を検討するよう提言していました。
小池知事は、都立病院と公社病院の計14病院を「一体的に地方独立行政法人へ移行する準備を開始する」と発言しました。
小池知事はまた、都の中央卸売市場について、市場の民営化を促す改悪卸売市場法に沿って、流通規制緩和を盛り込む中央卸売市場条例の改定を行うと表明。
台風被害の復旧などを行う補正予算案を提出しました。
都庁前では東京地方労働組合評議会、東京社会保障推進協議会、都民要求実現全都連絡会が開会日行動に取り組み、「都立病院は直営で継続を」と訴えました。
主催者あいさつした東京地評の荻原淳議長は「消費税増税やオスプレイの危険な訓練など、都民の命と暮らし、営業が深刻だ。都民を守る、都民が主人公の都政に変えよう。都民から必要な医療を奪う都立病院の独立行政法人化をやめさせ、直営を堅持しよう」と述べました。
都民団体の代表が発言。「都立病院の充実を求める連絡会」の事務局長は「収益を増やすため、職員を減らし、患者の自己負担を増やすなど、フリーハンドにできるのが独法化だ」と批判しました。
「2020オリンピック・パラリンピックを考える都民の会」の事務局長は「東京五輪が友好と平和を育む祭典、アスリートファーストの大会になるよう求める。選手村用地の投げ売りはとんでもない」と訴えました。
日本共産党の原田あきら都議があいさつし、「都立病院の独立行政法人化は許さない。約15兆円の財政力を災害に強い東京、都民の暮らしのために使わせるため頑張る」と表明しました。
(2019年12月4日付「しんぶん赤旗」より)