災害対策 池川都議「河川管理強化を」

小池知事「施設補修、浚渫着実に」
 小池百合子知事が出席したもとでの都議会各会計決算特別委員会と公営企業会計決算特別委員会が11日15日、18日にそれぞれ開かれました。2018年度の予算が都民のために適正に使われたかをチェックするもので、知事が出席しての質疑は初めて。
共産、公明両党が求めていたもので、他会派が同意したことで実現しました。10月から分科会に分かれて局別に審査してきましたが、知事出席のもとでの委員会では全局にわたっての質疑が行われました。決算の認定は、委員会採決をへて3日開会予定の12月議会本会議で採決されます。       (長沢宏幸)

決算特別委 知事が初の出席で質疑
 15日の特別委員会では、共産党から池川友一都議が質疑に立ち、都内でも大きな被害をもたらした台風による豪雨災害の重大化を受け、河川管理の強化や土砂災害対策、避難所の改善などを提起しました。
 池川都議は岡山県倉敷市真備町で50人を超す死者、全半壊約5500棟の被害をもたらした昨年7月の豪雨災害に触れ、河川の土砂堆積や橋などに引っかかり洪水を引き起こす要因ともなる流木対策の重要性が再認識されたと強調。樹木伐採や堆積した土砂を取り除く浚渫など、緊急対策を求めました。
 小池知事は頻発、激化する豪雨に対応し、河川施設の補修や浚渫など水害から都民の命と暮らしを守る取り組みを「着実に進める」と答えました。
 池川都議は多摩地域の河川での浚渫量が2002年度までは年1万立方mを超えていたものの、14~18年度は1割以下の水準に落ち込んでいることや、流木化する恐れのある樹木の点検が2河川にとどまっている事実をあげ、「予算や体制が不十分ではないか」と指摘。緊急対策の実施を求めました。三浦隆建設局長は「地元の要請を踏まえ、必要に応じて実施する」と答えました。

避難所の質向上
 池川都議はまた、避難所について「質の向上」が重要だとし、内閣府も参考にしている国際基準「人道憲章と人道対応に関する最低基準」(スフィア基準)を都として取り入れるべきだと主張。また、被災者の生活再建に向けて「被災者生活再建法」に基づく支援金給付の対象外となる住宅の「半壊」や「一部損壊」への支援など、都として被災者第一の視点で支援を行うよう求めました。
 内藤淳福祉保健局長は「避難所管理運営の指針」を区市町村向けに作成しているとした上で、避難所の改善に向けて「今後ともさまざまな知見も踏まえながら、区市町村に対し、避難所管理運営マニュアルの作成や改訂を行うよう働きかけていく」とのべました。

五輪の開催時期

 池川都議はマラソン、競歩の会場変更問題で揺れた2020年東京オリンピック・パラリンピックの暑さ対策についても質問しました。都は暑さ対策を最重要課題と位置づけ、17、18年度合計で約84億円の予算を執行しています。
 池川都議は都がIOC(国際オリンピック委員会)に提出した立候補ファイルで、真夏の開催時期を「アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候」としたことについて、今もこの認識は変わらないかと質問。小池知事は開催時期は「IOCによって決められるもの」とのべるにとどめました。
 池川都議は昨年の暑さが災害レベルと言われる中、アスリートにとって理想的な環境とはとても言えないと指摘。「選手の健康と安全を守ることはアスリート・ファーストの核心。今後の開催について、開催都市として時期の変更を含め、積極的な役割発揮を」と求めました。

都議会4定 3日開会
共産党都議団 2特別委の設置を提案
 東京都は台風15号、19号の被害からの復旧・復興や今後の防災対策のための補正予算案(134億円)を、12月3日開会予定の都議会第4回定例会に提案します。合わせて20年東京五輪・パラリンピックの交通渋滞などの追加対策に8億円を計上します。
 日本共産党都議団は、これに関連して、「補正予算特別委員会」と「防災対策特別委員会」の設置を提案。補正予算は15の局、都議会の7つの常任委員会に関わり、中心となる防災対策だけでも多岐にわたり、総合的な議論が求められるとしています。防災対策特別委については、閉会中の審査を含め、総合的、系統的、継続的な審査・調査を行うとしています。
 会期は16日間で、3日に知事所信表明、10日に代表質問、11日に一般質問を予定しています。

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