日本の農林水産業や地域経済に大打撃を与える日米貿易協定承認案と、公立学校教員に1年単位の変形労働時間制を導入する公立学校教員給与特別措置法(給特法)改定案が4日、参院本会議で自民、公明、維新などの賛成多数で可決・成立しました。
日本共産党と参院会派「立憲・国民.新緑風会・社民」、沖縄の風、れいわ新選組、碧水会などが反対しました。
日米貿易協定とデジタル貿易協定の承認案の採決に先立ち、日本共産党の井上哲士議員が反対討論しました。
「TPP11、日欧EPAに続き、農産物の関税の大幅な引き下げ・撤廃を行い、国内農業に深刻な打撃を及ぼすもの」だと批判。
「食の安全や消費者の選択する権利を損ない、食料主権、経済主権の放棄につながる日米交渉に応じることは断じて許されない」と強く抗議し、「日本共産党は、経済主権、食料主権を尊重した互恵・平等の対外経済関係の発展をめざす」と訴えました。
国民の羽田雄一郎議員が立憲・国民などの共同会派を代表し「日米貿易協定は日本にとって完全敗北の内容」だと反対討論しました。
給特法改定案の採決では、日本共産党の吉良よし子議員が反対討論。
教員の多忙化の原因となっている業務を増やし続け、残業代不支給の給特法の仕組みはそのままに、「長時間労働を助長する変形労働時間制を公立学校現場に導入することなどあってはならない」と採決に抗議。
「教員の長時間労働の是正は、日本の教育の現在と未来のかかった国民的な課題」として、教員の業務の削減や給特法を抜本改正して残業代を支払い、教員を抜本的に増やすことなどを求め「学校の異常な長時間労働をなくすため全力をあげる決意だ」と表明しました。
共同会派を代表して国民の横沢高徳議員が「今すぐ矛盾に満ちた給特法の抜本的な見直しを」と反対討論しました。
(2019年12月5日付「しんぶん赤旗」より)