国立大学の学費値上げや、授業料減免制度の削減・打ちきりなどに反対する街頭宣伝が8日、東京・渋谷ハチ公前で行われました。
学生らがマイクを握り、「学費を値上げすることで、若者の未来を奪わないでほしい」とアピールしました。
主催は、「高等教育無償化プロジェクトFREE」です。
東京大学4年の男性は、東大では世帯年収400万円以下の学生について、学費を全額免除する独自の制度があるが、来年度からなくなるかもしれないと指摘しました。
制度の存続を求める署名を現役の東大生ら約500人から集めて大学に届け、検討するとの回答が大学側からあったと紹介し、「この流れを全国に広げたい」と語りました。
来年度から授業料を値上げすることが公表された、東京医科歯科大学の教員からのメッセージが紹介されました。
学内に向けての説明はなく、教員も報道で知ったと述べ、「私は値上げに反対です。学費が高くなることで、学生の学習環境の悪化や、進路にも影響が出ます。学内でもこうした議論を広げていきたい」。
この間、相次いで学費値上げを発表した五つの国立大学の関係者で、「授業料値上げの中止を求める国立大学の会」を結成したことが紹介されました。
参加しているのは、東京工業大学、東京芸術大学、千葉大学、一橋大学、東京医科歯科大学の学生たちです。
同会は、大学側に学費値上げの根拠や経過などの説明を、政府には必要な施策や財源措置を行うことを求めると表明。
教員、学生、大学院生などさまざまな団体や個人と共同していくことをアピールしました。
FREEは、国立大学の学費値上げ中止、授業料減免制度の削減撤回、大学入試に英語民間試験を導入することの中止を求めて、10月から毎月行動しています。今回で3回目。22日にも東京都内でイベントを開催すると発表しました。
(2019年12月10日付「しんぶん赤旗」より)