東京都の小池百合子知事が全ての都立病院の地方独立行政法人化を打ち出したのに対し、「都立病院の充実を求める連絡会」は20日、都の堤雅史病院経営本部長に「行政医療や地域で欠かせない役割を果たしている都立病院は独法化準備を中止し、直営で堅持を」と要請しました。
日本共産党の大山とも子都議が同席しました。
要請では、都立病院が採算の取りにくい診療科の医療サービス提供や、地域での医療センターとしての役割を果たしていると強調。
「独法化されれば病床規模縮小、採算性の低い診療部門の再検討や削減、患者の特別室料など自己負担増が行われることは明らかだ」として、独法化準備の中止を求めました。
各地の都立病院を守る会の代表も「地域の開業医から『独法化で医療内容が低下しないか危惧している』との声が出ている」「既に独法化された健康長寿医療センターでは、病床の4分の1が有料個室化され、患者負担が増えている」などと訴えました。
堤本部長は「要望は承った。経営努力で、できるだけ一般会計の繰り入れ負担を少ないようにするが、行政医療の縮小でやることは考えていない。年内に独法化の考え方を公表する」と答えました。
連絡会の氏家祥夫代表委員は「都は独法化について『メリット、デメリットを検証する』としていた。検証を明らかにしないまま、独法化ビジョンを示すのは納得できない」と指摘しました。
(2019年12月22日付「しんぶん赤旗」より)