首都圏では、2018年10月に横田基地(東京都)に米空軍オスプレイ10機が配備・計画され、夜間の低空飛行訓練が増え、騒音被害が深刻になっています。
それに続いて、今年3月、陸上自衛隊オスプレイ17機が千葉県木更津駐屯地に「暫定配備」されようとしています。
「しんぶん赤旗」に掲載された横田の取り組みを紹介します
横田基地に米空軍特殊作戦部隊CV22オスプレイが正式配備され1年が経ちました。
オスプレイは、特殊作戦部隊を輸送し、隠密に敵地に潜入することなどを主な任務としているため、夜間訓練や超低空飛行が常態化し、機関銃を装備した飛行訓練まで行っています。
最も重大な「クラスA」の事故率(10万飛行時間当たりの事故数)は、2019年度6.22と上昇し、米空軍の中では最多になっています。
横田基地に配備されているC130輸送機も戦術輸送訓練を頻繁におこない、騒音被害を増大させています。
安保破棄東京実行委員会などが昨年10月31日に行った防衛省要請でオスプレイの低空飛行訓練や銃を市街地に向けた飛行などを追及しました。
防衛省基地対策課の職員が、「基地の周りで訓練するのは当たり前だ」と答えるので、「住宅地上空が訓練場なのか」と批判すると、「そうとらえていただいてもいい」と開き直りました。
環境被害も大変な事態になっています。
横田基地では、飛行機火災などに泡消火剤を使用しています。発がん性物質である有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)、PFOA(ピーホア)が含まれており、泡消火剤が大量に漏れ出る事故も起きています。
東京都福祉保健局が横田基地周辺の井戸を調べたところ、米国環境基準の19倍の濃度が検出された場所もありました。
水道局は多摩地区の一部では、井戸水の使用を中止しています。
東京都が米軍に基地内の汚染状況を問い合わせましたが、回答はありませんでした。
市民の安心安全、穏やかな生活をも脅かす問題です。汚染物質の垂れ流しや危険な訓練を許しているのは、日米地位協定があるからです。
米軍の横暴を許さない日米地位協定の抜本的見直しを早急に実現させなくてはなりません。
(2020年1月20日付「しんぶん赤旗」より)