東京都多摩地域で1人暮らしの若者が普通の生活を送るには、現行の都内最低賃金時給1,013円を5~7割上回る時給が必要になることが14日、東京地方労働組合評議会(東京地評)と三多摩地区労働組合連合協議会(三多摩労連)の調査で分かりました。
調査は、多摩地域の中心都市の「立川市、八王子市に住み、新宿区に電車通勤する25歳の単身者」を想定。
加盟組合員のアンケート調査に基づき、7割の人が所持する品目を「必需品」とし、市場価格から生活に必要な金額を積み上げ算出しました。
これによると、1人暮らしに必要な生活費は税・社会保険料込みで月額23万8,104~26万2,446円、年額では285万7,248~314万9,352円となりました。
ワーク・ライフ・バランスに配慮した労働時間(月150時間)で換算すると時給1,587~1,750円になります。
組合員からは調査結果に対して「(想定された)家賃が低くて、物件がない」「休日の外出はできない」との声が出されたとしており、実際に必要な生活費はさらにかかることがうかがえました。
調査を監修した中澤秀一・静岡県立大学短期大学部准教授は「東京の最賃1,013円では、あまりにも低過ぎて生活できない。生計費は全国的に格差が少なく、最賃は全国一律にする必要がある」と指摘。
三多摩労連の芳賀次郎議長は「調査結果を広範な国民に知らせ、賃金引き上げを掲げて春闘を大いにたたかいたい」と語りました。
(2020年2月17日付「しんぶん赤旗」より)