米空軍C130J―30輸送機が10日から14日にかけて横田基地(東京都多摩地域)を拠点に実施していた編隊飛行訓練は、米本土からインド太平洋地域に輸送機を定期的に展開する新たな構想の一環だったことが、23日までにわかりました。
米空軍は横田基地にアジアで唯一、C130輸送機1個飛行隊14機を配備しています。
「アジア重視戦略」のもとで、軍事作戦に即応する輸送機を増強し、横田基地を空輸拠点として強化しようとしています。
横田基地の監視活動をつづけている羽村市の羽村平和委員会によると、編隊飛行訓練には、米アーカンソー州の空軍基地から、第19空輸航空団所属のC130輸送機6機が飛来。
横田基地配備機とともに関東周辺での編隊飛行や三沢基地(青森県)、朝鮮半島方面との往復飛行などを繰り返しました。
第19空輸航空団のホームページは13日付ニュースで、4カ月間海外に展開し12カ月間は米本土の基地で訓練などを行う新たな「4/12全領域即応作戦(FSR)」構想の最初の「総仕上げ」と迅速な戦力展開の演習を実施したと伝えました。
同構想はアーカンソー、テキサス両州のC130輸送機4個飛行隊を4カ月交代でインド太平洋地域に派遣するもので、2019年から始まりました。
「総仕上げ」演習は横田、三沢、嘉手納(沖縄県)、烏山(オサン、韓国)の各米空軍基地の部隊と一体で実施しました。
演習に参加したパイロットは「現在、世界各地で飛行隊の空軍兵の約10~20%が飛行しているが、この演習を通じて70%近くまで引き上げることができる」と説明。
最終目標は緊急の展開に動じないよう練度を維持することだと強調しました。
C130輸送機は、軍事作戦でパラシュート降下などの兵員投入、戦域内での兵器・物資の空輸を担う戦術輸送機です。
横田基地では2012年以降、海兵隊や特殊部隊の降下訓練、編隊飛行訓練を頻繁に実施しています。
(2020年2月24日付「しんぶん赤旗」より)