日本共産党の田村智子副委員長・参院議員は9日の参院予算委員会で、新型コロナウイルス感染症対策について、緊急事態宣言を含む新型インフルエンザ特別措置法改定案の提出中止を求めるとともに「予算措置の具体化を急ぐべきだ」と強調し、国民の暮らしや自治体の検査体制整備への支援を主張しました。
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田村議員は、全国一律休校の要請に続き、専門家の意見を聞かずに中国、韓国からの入国制限措置をとったことを批判し、「こういう安倍総理のもとで、国民の権利の制限に道を開く特措法はありえない」と指摘しました。
そのうえで一律休校要請を真摯に反省し、「子どもが学び、遊び、成長する権利が保障できるよう現場の取り組みを支援すべきだ」と提起。
就学援助利用世帯では、休校で子どもが学校給食を食べられず健康を直撃すると述べ、「希望者の学校給食は国が費用負担して提供すべきだ」と主張しました。
コロナ対策で休業となった場合の給与保障制度の周知徹底と、フリーランス、自営業者などへの給付にも踏み出すよう求めました。
学校給食に関して萩生田光一文部科学相は「子どもの居場所確保の点から昼食を提供することも、自治体の工夫の一つ」「家庭の経済状況が厳しい児童生徒にどう対応できるか検討したい」と答えました。
田村議員は、国がこの間進めてきた“自治体リストラ”で、感染を判断するPCR検査を担う自治体の地方衛生研究所や市民の相談窓口などを担う保健所は予算や職員が減らされ弱体化してきた実態を提示。
新型コロナ対策を進めるなかで、弱体化させた感染症対策の体制を思い切って構築し直すことを求めました。研究者の削減を続けてきた国立感染症研究所の人員と予算増も求めました。
安倍首相は、地方衛生研究所に関して「感染症対策における検査実施機関の役割を果たせるよう必要な措置をとっていきたい」と答えました。
(2020年3月10日付「しんぶん赤旗」より)