日本共産党の白石たみお東京都議は9日の都議会予算特別委員会で、羽田空港に着陸する飛行機の都心部低空飛行計画について、「落下物の危険や深刻な大騒音などは改善されていない」として、国に追随して推進する小池百合子知事を追及しました。
白石都議は、小池知事が「都民が決める、都民と進める」を「基本姿勢」としていることに触れ、「都が行ったのは真逆の行動だ」と批判。
地元区議会が「容認できない」と議決していたにもかかわらず、都副知事が昨年8月の国との協議会で新ルート実施を要望した事実を示し、「都が国と一体で強行突破した事実は否定できない」と指摘しました。
落下物対策をめぐり佐藤伸朗都技監は、羽田など国内主要7空港で2017年11月〜昨年10月に報告された部品欠落が942年1144個だったと明らかにしました。
白石都議は「1日1.5個のペースだ。一昨年には重さ4キロ以上のパネルが落ち、走行中の自動車に直撃した。氷が落下することもある。事故が起きてからでは遅い」と強調しました。
白石都議は、1月末から行った実機による飛行確認で国の想定を大きく超える騒音が各地で測定されたと指摘。
さらに、着陸機の降下角を現行の3度から3.5度に引き上げることに対し、国際的航空団体が「着陸時の危険性が増大する」と警告していることを示し、新ルート撤回を国に求めるよう迫りました。
小池知事は「国に丁寧な情報提供、騒音・安全対策を求める」としただけで、騒音や落下物など白石都議の具体的な指摘に、まともに答えませんでした。
白石都議は予算特別委員会で、小池百合子知事が表明した都立病院の地方独立行政法人化の問題点を追及しました。
白石都議は、共産党都議団が公文書開示請求で入手した都の文書では、独法化の狙いが”都の財政負担の軽減だ”とされていることを指摘。
神奈川県では、独法化後10年になる県立病院機構への財政支援を大幅に減らし、2018年度決算では収支が25億円マイナス、繰越欠損金は94億円を超え、経営が危機的な状況に陥っている事実を示し、知事の認識をただしました。
知事は答弁に立たず、堤雅史病院経営本部長は、事実を否定できず「(神奈川の独法は)努力している」と弁明しました。
白石都議はさらに、独法化をめぐる意思決定過程の問題を追及。
▽都が独法化方針を決定した時期についての説明が二転三転している
▽知事の議会での独法化方針表明を”やらせ質問”への答弁で行うというシナリオを準備していた
▽議会に予算案が提案される前から独法化移行準備業務の入札参加者を受け付けていた
▽条例で定められた決裁も行っていない
などの事実を突きつけました。
都民や都議会、職員から意見を丁寧に聞き「準備を進めるとした従来の説明とまったく違っていると批判し、独法化をきっぱり中止し、都立病院は直営を守って充実するよう求めました。
意思決定過程について小池知事は、「(やらせ質問は)全く認識が異なる」と答えるにとどまりました。
(2020年3月11日付「しんぶん赤旗」より)