国土交通省は羽田空港の国際線増便のためとして、都心、コンビナートの上を低空飛行させる新ルートの運用を29日、開始しました。
同省は、年間3・9万回の発着が増加、1日の発着数は最大で50便増えると説明しますが、新型コロナウイルスでの減便で羽田ターミナルは閑散としています。
落下物、騒音、急降下の危険が指摘され、減便で必要性もない中での強行に、東京都各地、川崎市で同日、住民が抗議行動を行いました。
上空約300メートルを旅客機が飛行することになる東京都品川区のJR大井町駅前では、羽田増便による低空飛行ルートに反対する品川区民の会が宣伝。
会の共同代表は、成田空港事務所が全日空機のエンジンパネル落下を発表したことを紹介し、「人口密集地での落下物は人命にかかわる。新ルート強行は、命を軽視する安倍政治の表れだ」と批判しました。
宣伝を聴いていた南品川に住む女性(75)は「試験飛行でびっくり。すぐ上を飛行機が飛んでいるように感じた。何かあったときに『想定外でした』ではたまらない。反対です」ときっぱり。
品川区では新ルートの賛否を問う住民投票の運動も進んでいます。
「区民の会」の女性は「低空飛行を見た人が『何でもするから止めてくれ』と署名を集める受任者になってくれたり、運動に弾みがついている」と話していました。
(2020年3月30日付「しんぶん赤旗」より)