日本共産党の山添拓議員は2日の参院法務委員会で、安倍政権が強行した黒川弘務東京高検検事長の勤務延長に何の根拠もないことを明らかにし、検察人事に政権が関与する危険を告発しました。
法務省は、国家公務員法の勤務延長を検察官にも適用できるとした解釈変更の検討にあたり参考にした資料を提示しました。
しかし、山添議員の追及で、川原隆司刑事局長は資料の中に検察官にも勤務延長を適用すべきだとする文献や、森雅子法相が繰り返し述べてきた社会経済情勢の変化を示す資料もなかったことを認め、解釈変更の根拠がなかったことが明らかになりました。
それでも森法相は「業務の性質上、退職等による担当者の交代が当該業務の継続的遂行に重大な障害が生ずることが一般の国家公務員と同様だ」と強弁しました。
山添議員は、「この検察官でなければならない事件を想定することは許されるのか。同じ法と証拠の下では同様の終局処分が行われるべきだ」と強調しました。
その上で山添議員は「証拠の収集をどこまで行うのかなど検察官により差が出る。権力に疑惑がかかっているときにどこまで捜査を徹底するか、そのさじ加減は検察官次第だ」とただしました。
森法相は「ご指摘のとおり個々の検察官は法と証拠に基づき不偏不党を旨とする。他方、検察官の能力も個人差がありうるから、検察官は上司の指揮監督に服する」と答弁。
山添議員は「だからこそ、検察上層部の人事に官邸が介入するのは大問題だ」と指摘しました。
(2020年4月6日付「しんぶん赤旗」より)