日本共産党の小池晃書記局長は13日夜、BS―TBSの番組「報道1930」に出演し、新型コロナウイルス感染症について政治家や専門家らと議論しました。
番組は、政府の「緊急事態宣言」が発令されて初の土日の11、12日の東京駅では人出が8~9割の減少となりましたが、13日の月曜日は3割減にとどまったとの調査を紹介。
この状況について小池氏は「収入が断たれてしまうため出勤せざるをえない人がいる。休業補償をきちんとやれるかどうかが外出自粛を徹底できるかどうかのカギを握っている」と指摘しました。
東京都による休業要請の対象となった事業者の様子が紹介され、店を閉めることを決めたバーの店主は「いつまで自粛していればいいのか。家賃・固定費がかかる」と述べ、営業時間の短縮を要請された居酒屋の店主は「売り上げは8~9割減。都の協力金や国の支援では足りない」と話しました。
小池氏は「深刻なのは固定費。営業を短縮しても家賃・リース代・水光熱費も基本料金を含めてかかる。休業したらどんどん“出血”する。その出血を止めなければならない」と指摘。
固定費の直接補助を行い、その上で自営業者にも収入の8割を補償する仕組みをつくるべきだと提起し、「補償なき緊急事態宣言では実効性は保てないし命は守れない」と強調しました。
中継で出演した大村秀章愛知県知事は、休業要請した場合には「何らかの補償というのはセットではないか」と述べました。
感染を調べるPCR検査が進まない問題で、群星(むりぶし)沖縄臨床研修センター長の徳田安春医師らによる提言が紹介されました。
かかりつけ医が(電話やネットの相談で)検査が必要だと判断した場合、保健所を経ずにPCR検査センターに患者を案内して、そこで検査を受けられるようにするというものです。
小池氏は、提言に「大賛成だ」と述べた上で、「保健所におかれた相談センターがネックになっているので、そこを経由しないシステムに大転換して、国が検査を思い切って増やす姿勢を示すべきだ」と語りました。
国際医療福祉大学の松本哲哉教授は「かかりつけ医が、もしかしてという人はそのまま検査ができる体制に持っていかないと、いつまでたっても感染者が出ることが続いていく」と述べました。
国際情報誌『フォーサイト』元編集長の堤伸輔氏は「2009年の新型インフルエンザ流行後の検証で、検査の仕方など対策が時代遅れであると明らかになったが、なぜか今回も一時代前の感染症対策に基づいてきた。それを正当化するような後付けの理屈ばかりを政治家や官僚が述べ続け、そのつけがいま検査拡大されないという結果になっている」と指摘しました。
小池氏は「感染経路の分からない患者が増えており、今までのクラスター対策では実態がつかめなくなっている。政府・首相が陣頭指揮をとって、本気で検査を増やす仕組みにすぐに変えなければならない」と強調。
ノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑・京都大学特別教授が「敵(ウイルス)がどこにどれだけいるかを知ること」としてPCR検査の急増を提言していることに触れ、「新型コロナ感染の広がりをしっかり把握することが緊急の政治の責任だ」と述べ、これまでのPCR検査のしくみを見直して検査実施体制を抜本強化することを求めました。
(2020年4月15日付「しんぶん赤旗」より)