日本共産党の小池晃書記局長は15日、新型コロナウイルス感染症患者を診療する「発熱外来」を設けた東京都練馬区の病院を訪れ、関係者からコロナ外来診療の実情や必要な国の支援について意見を聞きました。
新型コロナ感染を調べるPCR検査が、「帰国者・接触者外来」を持つ病院に基本的に限定されているため、検査件数が増えない問題点が指摘されています。
そのため同外来以外にも、条件のある医療機関が一般患者とは別のスペースに「発熱外来」を設け、一般患者への感染拡大を防ぐとともに、コロナ感染のPCR検査ができるようにする動きが始まっています。
小池氏は、一般の診療スペースとは区切られ専用の出入り口も設けられた「発熱外来」で診察にあたっていた齋藤文洋院長や副総看護師長、事務長から説明を受けました。
小池氏の質問に対し、各氏からは、感染拡大を防止するため自主的に「発熱外来」を設置したものの、行政からは医療用N95マスクなどの提供もなく「消毒して再利用せざるを得ない状況」であるなど、国や都からの支援が圧倒的に足らない実態が語られました。
同病院では発熱外来担当の医師・看護師を確保するため、在宅医療の体制を縮小しています。
「外出自粛」の影響などで一般患者も減少し、3月の外来は前年比で700万円もの減収だと明かしました。
事務長は「国の経済的支援は微々たるものです。これでは医療体制が成り立たなくなる」と語りました。
齋藤院長は、コロナ感染が疑われる肺炎患者が診察中に急速に重篤化したため、入院受け入れ先を探すのに朝から晩まで時間を要した経験を語り、入院受け入れ体制が広がらないもとで患者の命が脅かされている実態も浮き彫りになりました。
小池氏は「国にきちんと支援させるよう求めます」と応じました。
(2020年4月16日付「しんぶん赤旗」より)