日本共産党の宮本徹議員は24日の衆院厚生労働委員会で、年金受給の開始を75歳まで遅らせることを可能とする年金制度改定法案について、平均余命を数年超えなければ65歳から受給した場合と実質同額にならないことを国民にきちんと知らせるべきだと主張しました。
同法案は年金の受け取り開始を75歳に遅らせると、月額で84%増になるとしています。
しかし、65歳から月額15万円の年金を受給した場合、税が同約1,800円、国民健康・後期高齢者医療保険料が同約4,000円かかるのに対し、75歳に遅らせると年金が月額27.6万円なのに対し、税が同約1万9,000円、後期高齢者医療保険料が同約1万7,000円もかかることになります。
平均余命の87歳では約370万円の税・保険料の負担増です。
高橋俊之年金局長は、税・社会保険料を控除すると、75歳から受給した場合、受給総額で65歳から受給していた年金額を上回るのは90歳0カ月であることを明らかにしました。
これに対し宮本議員は「厚労省は平均余命まで生きれば中立になる年金だと説明しているが、税金や社会保険料を含めれば、中立だと言えないのが今の答弁でも明らかだ」と批判しました。
さらに宮本議員は、年金機構のチラシが受給開始年齢を遅らせると年金が増額すると書いてあることだけが目立つと批判。
税金や保険料が大きく増えることがある事実を、国民へ例示すべきだと強調しました。
(2020年4月25日付「しんぶん赤旗」より)