新型コロナウイルス感染拡大に伴う緊急経済対策を実施するための補正予算案が27日、衆参両院の本会議で審議入りしました。
日本共産党の笠井亮衆院議員と田村智子副委員長が質疑に立ち、「現実に迫られている問題に応えきれていない」(笠井議員)、「生活と事業をつぶさないという補正予算が切望されている」(田村議員)と述べ、中小企業・個人事業主の支援強化や医療体制整備に向けた抜本的対策など組み替えが必要だと主張。
沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設、米国言いなりの武器の爆買いなど不要不急の支出を停止し、コロナ対策に集中するよう求めました。
笠井議員は、政府案は“自粛・休業要請と一体に補償する”という考え方がないと批判。
「一人も路頭に迷わさないために必要な予算を確保することが政府の責任だ」と指摘しました。
7割が休業する東京・浅草の商店街のおかみさん会理事長から支援を求める痛切な声が上がっていることを紹介し「家賃など固定費は国が肩代わりするべきだ」と強調。
売り上げ半減の中小企業・個人事業主を支援する「持続化給付金」も対象を拡大し、1回限りではなく継続的に支給するよう求めました。
従業員を休ませた企業に支給する「雇用調整助成金」の対象の拡大や1日あたり8,330円の上限額の引き上げなどを主張。
13人に1人の学生が「大学をやめる」ことを検討しているという調査結果を示し、「休校中の学費免除、奨学金返済猶予に踏み切るべきだ」と迫りました。
自治体に配る「地方創生臨時交付金」(1兆円)は、大幅増額を訴える全国知事会の声に「応えるべきだ」と指摘しました。
安倍晋三首相は「厳しい状況の事業者への支援を多数用意している」などと答えました。
田村議員は、補正予算案で医療にかかわる予算が、PCR検査、軽症者受け入れ、医療機関支援などを合わせ1,490億円(緊急交付金)にすぎないことについて「あまりにも小さすぎる。これで感染症とたたかえるのか」と追及しました。
安倍首相が設置を明言している検体採取を専門に行うPCR検査センターについて、田村議員は地域格差が生じないためにも国が全額負担するように提起。
コロナ患者を受け入れる病院の支援をめぐり首相が「診療報酬を2倍に」と述べていることに対しては「それでも大幅赤字は必至だと理解しているのか。『経費は(国が)全額持つ』と言うべきだ」と主張しました。
田村議員は、感染者を受け入れていない医療機関も患者数が減少し経営破たんが続出しかねない実態にあると指摘し、「第2波、第3波の流行に対処するためにも支援が必要だ」と強調。
安倍首相は「経営が厳しい医療機関は持続化給付金の対象とし、医療法人は200万円、個人診療所は100万円を給付する」などと、実態に見合わない支援策を語るだけでした。
(2020年4月28日付「しんぶん赤旗」より)