共産党緊急政策 都委員長に聞く
―この間の都の対策をどう振り返りますか。
オリンピックの延期が決まる3月24日まで、小池知事はコロナ対策に先頭に立って取り組む姿勢を見せませんでした。
都のホームページでPCR検査の実施人数を見ると、3月18日から24日まで1週間はわずか343件です。五輪延期が決まった25日から31日までの1週間で、やっと1086件と3倍に増えます。都知事が先頭に立って対策に取り組むという点では、明らかに遅きに失しました。
その後の休業への補償なども著しく不十分です。当初、都が自粛要請をしたときに記者から休業補償について質問され、小池知事は「税金投入が正しいのか議論がある」と消極的でした。都民の声に押されて協力金に踏み切りましたが、支給範囲が限られ、手続きも進んでいません。
―緊急政策で重視した点は。
小池都政の対策は極めて不十分です。ただ、緊急政策では、そうした批判を前面に出すのではなく、一刻も早いコロナ感染終息を都民の願いに応えるために、都政が取り組むべきことを冷静に示すことを重視しました。
現在の核心問題であるPCR検査の拡充とともに、第2波、第3波の感染拡大に備えた医療体制、暮らしと営業・雇用、文化を支える補償と支援、社会的なインフラを支えること、ジェンダーの視点を対策に取り入れることなど、今、求められることをできるだけ全面的に盛り込みました。
緊急政策のもう一つの中心点は、今後の感染症との長期のたたかいを考えても、都政の転換が必要だということです。
この間、保健所に電話しても、まったくつながらないという声をあちこちで聞きました。かつて、都内に71か所あった保健所は、経済効率優先の国政、都政の流れの中で、31か所まで削減されています。都立病院も、減らされてきました。
しかも、小池都政は、都立病院がコロナ対策の最前線でたたかっている最中の3月31日、都立・公社病院を地方独立行政法人化する方針を出しました。この都政の流れは、どうしても変えなくてはいけません。
―都知事選への取り組みの現状は。
小池都政は、自民党型都政を変えてほしいという都民の期待に応えるポーズで誕生しましたが、築地市場移転問題をはじめ、掲げた公約は最初の1年で投げ捨てました。
市民と野党の共闘で、この都政を転換させる必要があります。さまざまなレベル、チャンネルで野党間のやり取りが行われ、候補者の擁立に向けた努力が進んでいます。市民によるさまざまな動きもあります。できるだけ早く候補者を決め、本格的な選挙戦に突入したいと思います。
やりがいと責任が
―今年2月に都委員長に就任されました。抱負をお願いします。
創立100年に向かう日本共産党の歴史のなかでも、野党連合政権を打ち立てようという初めての局面での、首都の党の責任者です。やりがいと、大きな責任を感じます。
もう一つは、若い世代に大きな党の組織をつくることに挑戦したいと思っています。そうしてこそ、私たちの綱領を実現する展望も開かれる。世代的な継承を必ずやり遂げたいと思います。
―共産党員市長の矢野裕狛江市長の時代に、市議を経験されています。
地方議員として苦労したり、学んだ経験は、私自身の党活動のなかで、とても大事な意味を持っていると感じています。
地方議員の皆さんは、共産党の活動のなかで、非常に大きな役割を果たしていただいています。地方議員の皆さん一人ひとりが、議会でも党活動でも、生き生きと輝いてもらいたい。そのことも大切にしたいと思います。
―東京民報は6月1日で再週刊化12周年を迎えます。期待の言葉をお願いします。
各地の活躍や奮闘の様子を紙面で知ったり、都民の暮らしの息遣いが伝わる記事を、いつも注目して読んでいます。東京にかかわる意外な著名人が登場したり、驚かされる時もあります。引き続き、新たな共同を広げる東京民報ならではの役割を果たしてください。