日本共産党東京都委員会ジェンダー平等委員会は5日、東京都渋谷区の党本部で「性暴力」学習講座の第1回を開きました。
性犯罪加害者の更生プログラムに取り組む大船榎本クリニックの斉藤章佳氏(精神保健福祉士・社会福祉士)を講師に痴漢問題を学び、地方議員らが参加しました。
同委員会責任者の池内さおり前衆院議員はあいさつで「私たちの社会は痴漢の被害も加害も軽視してきたのではないか」と問題提起。
斉藤氏は、痴漢は犯罪であるとともに依存症の側面があり、きっかけがあれば誰もがなり得るとの立場から実態を報告しました。
痴漢加害者は逮捕から治療にたどり着くことが多く、逮捕されないと問題行動を変えることは難しいと指摘。
「被害者が声を上げやすい社会にすることで専門治療に早くつながる」と述べ、痴漢問題の実態を知ってほしいと強調しました。
斉藤氏の臨床では、痴漢加害者は「四大卒で妻子ある会社員」が多く、泣き寝入りしそうな被害者を選んでいると指摘。
多くは支配欲を満たしてストレスを発散するために痴漢をしており、性欲の問題に矮小化すると性犯罪の本質を見誤ると述べました。
また、加害者には「女性専用車両に乗っていない女性は痴漢されたいと思っている」などという歪んだ認知があると紹介。
これは日常的に家庭、学校、社会、メディアで男尊女卑の価値観を刷り込まれ、学習した結果で、「日本は男尊女卑依存症社会だ」と述べました。
(2020年6月7日付「しんぶん赤旗」より)