海外の日本人学校などへ派遣予定の教員が、新型コロナウイルス感染拡大の影響で国内待機となり、賃金が支払われなくなった問題で、教員からの相談メールを受けた日本共産党の宮本徹衆院議員が文部科学省に問題を指摘し、国内待機手当が支給されるようになりました。
教員から「初めて前向きな対応になった」と喜びの声が出ています。
文部科学省は、海外の日本人学校や日本語補習校に今年度1,322人の教員の派遣を計画。しかし、派遣先国の入国制限によって、新規派遣の484人のうち465人が国内待機となっています。
派遣教員の規則では、在勤基本手当は在勤地到着翌日から支払われるため、待機者は収入が途絶えました。
宮本議員に、派遣教員の女性からメールが寄せられました。
女性は、国内待機中でも、現地ネット会議に参加し、「半日かけて下調べから編集までして授業動画を1日2~3本つくっている」と報告。教員によっては家族で赴任するために配偶者が休職・退職していたり、現地住居の家賃が発生していたり、困窮していると訴えました。
宮本事務所は5月18日、文科省に対応を求めました。
文科省の担当者は「先生方には大変申し訳ない。対応を検討中です」と回答。21日、相談メールを寄せた女性にも文科省から「4月にさかのぼって手当が払えないか調整している」と連絡がありました。
文科省は5月27日、国内待機手当を4月分にさかのぼって6月中に支払うと事務連絡を発出しました。
(2020年6月9日付「しんぶん赤旗」より)