「東京学芸大学に授業料の返還と文部科学省に支援を求める会」と「高等教育無償化プロジェクトFREE東京学芸大学」の代表を務める原太郎さん(23)=同大大学院1年=は11日、同大がある小金井市の市議会厚生文教委員会で陳述し、コロナ禍で困窮する学生への支援と高等教育の無償化を国に要請してほしいと訴えました。
両会が国への意見書提出を求める陳情書を提出しているのを受けて行われたもの。
コロナ禍で学生が直接、実態を訴えるのは全国的に珍しいことです。
原さんは、授業料返還と文科省に支援を求める署名に取り組み、4月末以降で559人から集まったと紹介。
FREEが行ったアンケートでは5人に1人の学生が退学を考えていると述べ、学業の継続が困難になっている現状を訴えました。
国の学生支援緊急給付金は金額も人数も不十分なうえ、「第2次補正予算案に直接的な学生支援の予算は計上されていない」と指摘。
実態に見合った学生支援策を求めました。
高すぎる学費が問題の根本にあると強調し、「憲法上、国は高等教育無償化の義務を負っているにもかかわらず、それを遂行していないために現在の学生の厳しさが生じている」と力を込めました。
国の学生支援策が実のあるものとなり、高すぎる学費を無償とするよう、市議会から国に意見書を出してほしいと訴えました。
陳情にかんする質疑で、日本共産党の水上ひろし市議は「コロナによる経済苦で学生が退学を考えるなどあってはならない。高等教育無償は世界の流れだ」と発言しました。
(2020年6月12日付「しんぶん赤旗」より)