東京都知事選(7月5日投票)の焦点の一つにIR(カジノを中核とする統合型リゾート)の東京誘致問題が浮上しています。
現職の小池百合子候補はIR誘致について「メリット、デメリットを検討中」と述べるだけで、カジノ推進の本音を隠す不誠実な態度をとっています。
小池氏は国会議員だった時期、カジノ解禁をリードしたカジノ議連(国際観光産業振興議員連盟)メンバーだった、まごうことなきカジノ推進派です。
都知事当選後の2016年9月2日には「エンターテインメントをそっくり考えるという意味でのIRについては積極的」、同12月2日には「どうすれば一番良い形でできるかを検討したい」と、カジノ誘致に前のめりの姿勢は明白でした。
小池氏はカジノ実施法成立直前の2018年7月の記者会見で、「メリットの部分とデメリットの部分を検討する必要があるというのが都のスタンス」と述べました。
以後、カジノによる「経済成長」とギャンブル依存症などの弊害をてんびんにかける「メリット・デメリット」論を述べるだけで、自身のカジノへの賛否を明らかにしない態度をとっています。
しかし、都が行っているIR・カジノについての調査、検討は、そんな中立的なものではありません。
当初から臨海副都心の青海地区北側を想定しカジノを含むIR導入を具体的詳細に検討しており、小池知事もこれを了承していたことが、日本共産党東京都議団が19年9月に公表した調査で明らかになっています。
同じ首都圏のカジノ誘致候補地である横浜市では、2017年の市長選でカジノは「白紙」と述べて当選した林文子市長が、2019年8月に一転して誘致を正式表明し、「市民だまし」という強い批判にさらされています。
横浜市の誘致表明の受け止めを問われた同8月23日の記者会見でも、小池氏は「メリット・デメリット」論を繰り返してけむに巻く態度をとりました。
小池氏は日本記者クラブ主催の都知事選記者会見でも同じ発言をしました。新型コロナウイルス感染症拡大で世界のカジノが崩壊状態になり、IRの事業可能性が失われているのに、相変わらずカジノ誘致にしがみつく姿勢は異常です。
広範な市民と野党が支援する宇都宮けんじ候補は公約で「カジノ誘致計画は中止する」と明言。「人の不幸を生み出すカジノで経済成長など考えるべきではない」と訴えています。
年 | 月日 | 小池氏の発言 |
2016 | 9/2 | 「エンターテインメントをそっくり考えるという意味でのIRについては積極的」 |
12/2 | 「どうすれば一番良い形でできるかを検討したい」「観光振興という点ではプラスと思う。一方、社会的な懸念が議論されている。そこを総合的にみていく」 | |
2018 | 7/20 | 「メリットの部分とデメリットの部分を検討する必要があるというのが都のスタンス」 |
2019 | 8/23 | 「(横浜市の誘致表明を受け)IRのメリット、デメリットの検討を続けるスタンスは変わらない」 |
2020 | 6/17 | 「(日本記者クラブの共同記者会見で賛否を明確にするよう求められて)メリット、デメリットを検討している」 |
(2020年6月20日付「しんぶん赤旗」より)