【都知事選】小池都知事 公約どうなった? 「7つのゼロ」苦しい言い訳

小池百合子東京都知事が前回知事選などで掲げた公約は、この4年間で一体どうなったのか検証しました。

「築地は守る」ほご

「挑戦して良かった」。15日、都知事選(7月5日投票)の政策発表で小池氏は、築地市場問題の対応などについて記者から問われ、こう述べました。

「築地は守る」「市場機能は確保する」(2017年6月)との発言をほごにし、跡地の再開発方針に市場の再整備は盛り込まなかった小池氏。公約違反には一切ふれず自身の「功績」と言わんばかりに開き直りました。

都民の声無視姿勢

「都民が決める。都民と進める」のスローガンは16年知事選で小池氏が訴えた目玉公約でした。しかし、実際は都民の声を無視する姿勢が目立ちます。

小池氏は、コロナ対策の先頭に立つ都立・公社病院の独立行政法人化を推進。多くの医療関係者、住民が反対しています。方針素案に対するパブリックコメント(意見公募)を行いましたが、1511件の意見のうち反対が圧倒的多数を占めました。それでも小池氏は推進姿勢を改めようとしません。

羽田空港の離着陸便が都心上空を低空飛行する危険な新ルートの運用でも、地元の不安の声に耳を貸さずに国の計画にゴーサインを出し、一体となって進めているのが小池氏です。
昨年3月、品川・渋谷両区議会が計画の再考、見直しを求める決議、意見書を全会一致で可決。小池氏はこれらを無視し、国が新ルート運用を決定すると「国や関係自治体の尽力に感謝する」とコメントしました。

黒塗りの情報開示

「東京大改革の一丁目一番地は情報公開にあり」。都政の「透明化」「見える化」を訴え当選した小池氏が、この4年繰り返し続けていることです。

築地市場の豊洲移転をめぐる意思決定の変遷について情報開示を会見で求められた小池氏。「情報、文書が不存在であると。それはAI(人工知能)だからです」などと意味不明の説明をし、記者団をあぜんとさせました。

カジノを中核とするIR(統合型リゾート)誘致に関する都の調査結果などは、ほぼ黒塗り状態で開示されました。黒塗り文書を「のり弁」に例え、「自分は日の丸弁当にする」と言ってきたことと全く反します。

“達成ゼロ”批判も

今回、感染症対策を理由に街頭演説はせず、「オンライン選挙」に専念する小池氏。ツイッター上の「#小池ゆりこに物申す」で質問を募集し、回答の動画を配信していますが、“達成ゼロ”との厳しい批判を浴びる「7つのゼロ」の言い訳に終始しています。

「残業ゼロ」をめぐっては、都庁職員で見ても1人当たりの残業時間がこの4年、月平均23時間前後で推移し、ゼロには程遠い状況です。

昨年度末までの実現をめざした「待機児童ゼロ」も未達成。日本共産党都議団の調査によれば、国の定義が待機児童と見なさない「隠れ待機児童」を含めると、1万8千人超が認可保育園などを申し込みながら、利用できていません。

「多摩格差ゼロ」について小池氏は、当選翌年の2017年10月以降、都議会でひとことも言及しなくなりました。
「ペット殺処分ゼロ」は達成したと自慢するものの、獣医師の判断によって病気やけがなどを理由に処分したイヌ、ネコは除外されています。

都は、総務省統計で推計約7,800人(2017年)とされた介護離職者の推移を把握しておらず、「介護離職者ゼロ」の検証は現段階で困難です。「満員電車ゼロ」「都道電柱ゼロ」も達成の見通しは立っていません。

あまりにも無責任だ 東京中央市場労組 中澤誠委員長

中澤誠さん

築地市場の豊洲移転反対の運動を続けてきました。豊洲の土壌汚染などが明らかになったのに、放置した小池百合子知事への怒りがいまも消えません。

土壌の安全性は確保されないまま、みんな爆弾を抱えたまま無理して営業しているような状態です。無理やり豊洲に移転し、あまりにも無責任です。

小池知事は都政の透明化を掲げて当選したのに、情報の隠蔽(いんぺい)もひどい。オープンな場で話し合うことが、石原慎太郎都政時代と比べても大幅に後退していると思います。

昨年、都中央卸売市場条例が改定されました。私たちは、公正な取引を行うための規制が取り払われ、適正な価格形成を損なう恐れがあるとして反対しました。

しかし、私も委員を務める都中央卸売市場取引業務運営協議会では、議題に上げて公式会議を行ったのは1度だけ。また、協議会ではこれまで決定・答申を出すにあたり、委員の全会一致で決めてきましたが、この改定は反対意見が無視され、ごり押しで通されました。こんなやり方は小池都政が初めてです。

小池知事はとにかく知事に絶対ふさわしくない。宇都宮けんじさんに頑張ってほしい。

(2020年6月28日付「しんぶん赤旗」より)

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