文部科学省元事務次官の前川富平氏が27日、東京都調布市で行った、宇都けんじ都知事候補応援演説の要旨を紹介します。
私は小池(百合子)知事のコロナ対策の学校休校がおかしいと思っています。元はと言えば2月27日に安倍晋三首相が、政府の専門家会議や保護者の声を聞かず唐突に一斉休校と言いだしたことです。本当に長期休校が必要だったのか。私は、一斉休校というのは間違っていたと思っています。
2月25日の文科省事務連絡では、学校の中で生徒や教職員にコロナ感染者が出たら休校にして、地域の中で感染者が出て生徒や教職員の中に濃厚接触者がいた場合には、登校を控えてもらうという考え方でした。
子どもたちの学習権を保障しながらしっかりとしたコロナ感染対策を取っていくというまっとうな考え方だった。それを根底からひっくり返したのが安倍首相で、そのままやってしまったのが小池知事です。国政・都政におけるリーダーの対策は間違いでした。
都立の学校は6月末になってやっと全面再開です。その間に子どもたちは大変な目にあいました。家庭に押し込められてしまい、ストレスを抱え、けんか、学力の遅れ、体力低下、ゲームやスマホ依存が起きました。
生活に困窮している家庭の子どもは食べるものに困り、学校給食がなくて栄養失調が出ています。家庭内の虐待が深刻化し広がっていると思います。
また、都の学校は上から押さえつける教育行政がずっと続いています。生徒や教職員に人権や自由がない。学校に自由が必要です。自由な教師であって初めて自由な子どもたちを育てることができる。宇都宮知事になった暁には、学校がもっと自由でのびのびとした場所になると思います。
私が宇都宮さんを信頼しているのは、憲法を大事にするところです。子どもを含めた人々の学習権、生存権、人権を保障するとしっかりとした決意のある知事候補は宇都宮けんじさんしかいないです。知事に一番ふさわしいと思います。
(2020年6月28日付「しんぶん赤旗」より)