「宇都宮さんの各地の訴えに共感と感動が広がっています」と切り出した日本共産党の志位和夫委員長志位氏は、宇都宮候補を「貧困と格差をなくすために命がけでがんばってこられた方です」と紹介しました。
それは「社会的・経済的弱者の支援をすることは、すべての人が住みやすい社会をつくるためだ」という信念があるからだと強調し、「こういう信念を貫いてきた方こそ都知事にふさわしい」と訴えました。
市民と野党の共闘が力を発揮していると語った志位氏は、野党の応援の輪の広がりを強調。宇都宮候補と元文部科学事務次官の前川喜平さんが対談で「少人数学級を進める」と意気投合したことに触れて、「子どもの学び、心のケア、感染症対策で、少人数学級の実現は急務です。宇都宮けんじさんで、子どもたちに少人数学級をプレゼントしよう」と訴えました。
「最大の争点はコロナ対策で、東京都のやり方をこのまま続けていいのかです」と語った志位氏は、二つの問題があると指摘。
一つは、初動の遅れだとして、東京オリンピック・パラリンピックを優先させ、PCR検査などまともな対策をせず市中感染を広げたと告発しました。
もう一つは、11日に解除された「東京アラート」です。解除後2週間、新規感染者は増え続け、27日の感染者は57人だとして、「いったい何のための『東京アラート』だったのか」と批判。
「深刻なのは、『東京アラート』に代わる新たな対策がないことです。『あとは都民の“自衛”に任せます』では『第2波』を防ぐことはできないのではないでしょうか」と訴え。
「新型コロナから命と暮らしを守り抜く――この1票を宇都宮けんじさんにお寄せください」と力を込めました。
志位氏は「東京の保健所、都立病院、福祉をどうするかも熱い争点になっています」として、保健所を1994年の71カ所から31カ所まで減らし、小池都政の4年間で保健所の医師の定員を2割も減らしたと告発。
「『効率第一』で保健所をつぶしてきたこのやり方を、宇都宮さんで大本から改めてもらおう」と強調しました。
都立病院・公社病院の独立行政法人化が大争点になっていると述べ、独法化は民間病院と同じ独立採算制にして、都から400億円の繰入金をなくすものだと批判しました。
志位氏は「『赤字』だから仕方ないという議論もあります。しかし、消防や警察が『赤字』だからなくせという人はいません」と指摘。
感染症、小児、救急、周産期、島しょなど、民間病院では対応が難しい不採算の部門を担ってきた都立病院の役割を強調し、「保健所・都立病院を大切にする政治、福祉に手厚い東京を、宇都宮さんでつくっていきましょう」と呼びかけました。
最後に志位氏は、新型コロナ・パンデミック(世界的流行)のもとで、「効率第一」の新自由主義のやり方は通用しないことが明らかになったと強調し、「自己責任の押し付けでなく連帯で、良い世の中をつくりましょう。宇都宮けんじさん勝利のために支持の輪を広げに広げてください」と訴えると、大きな拍手がわき起こりました。
(2020年6月29日付「しんぶん赤旗」より)