東京都知事選(7月5日投票)候補者によるスポーツ政策の違いが明らかになっています。新日本スポーツ連盟東京都連盟が主要候補にアンケートを行い、宇都宮けんじ候補と小池百合子知事から期日までに回答がありました。
アンケートは、新型コロナウイルスの感染拡大によってスポーツ団体は大会を開けず、今後も活動を続けるには財政的に厳しい現状を紹介。
支援のために公共スポーツ施設使用料の減額や免除をという要望への賛否を尋ねました。
また、都民スポーツ発展のために
▽人口当たり全国最低レベルにある都の公立スポーツ施設数を増やす方策
▽スポーツ連盟の大会だけ補助金打ち切りは不公正でないか
▽コロナ禍での東京五輪・パラリンピックへの対応
▽実現したいスポーツ施策
を質問しています。
施設使用料では、小池知事は減額には直接触れず、「感染拡大防止と経済社会活動が両立した『新しい日常』の確立・定着を進めます」というだけ。
宇都宮候補は「コロナ感染症によって重大な影響を受けた団体に、ひろく支援が必要だと考えています。そのような立場で『施設の利用料金の減額』の提案には賛成」と答えました。
来年に延期された東京五輪・パラリンピックについては小池知事が、都民・国民の理解・共感を得られる形で開催し、「安全・安心な大会の実現を目指す」と表明。
宇都宮候補は「内外の専門家が来年の開催を困難と判断した場合は、IOC(国際オリンピック委員会)に対して中止の働きかけをし、浮いた予算を都民の命と暮らしを守るために使う」と答えました。
スポーツ活動の需要に対して施設が足りないという指摘には、小池知事は東京五輪の新規恒久施設など大規模施設を活用すると回答。宇都宮候補は「最低レベルという現状は改善しなければなりません。場所の確保に努力して、増設に取り組む必要がある」としています。
実現したいスポーツ施策について、小池知事は「東京2020大会のレガシー(遺産)を最大限生かすとともに、パラスポーツを…定着させる」ことを挙げました。
宇都宮候補は「スポーツは…万人の権利であるという考えの下に…誰もが使えるような基礎的なスポーツ施設の充実が大切」と述べています。
(2020年7月1日付「しんぶん赤旗」より)