17日間に及ぶ東京都知事選が終わった5日、コロナ禍のもとで生存権をかけてたかった日本弁護士連合会元会長の宇都宮健児氏の事務所前には、支援者が駆け付けました。
当選はできなかったものの、宇都宮氏や支援者はすでに前を向いていました。
午後7時半、事務所前には、すでに宇都宮氏を出迎える支援者がいました。国会議員、都議らは次々に足を運び事務所に入っていきました。
8時、小池百合子候補当選の一報が事務所前の支援者に伝えられました。同5分、宇都宮氏が姿を現し、拍手で出迎えられながら事務所に入って行きました。
事務所には政党の垣根を超えた国会議員の為書きが壁一面に貼られ、市民運動、労働運動の人たちからの応援メッセージがいくつも飾られていました。
宇都宮氏の会見後には、手話通訳を務めた女性が、宇都宮氏からのねぎらいの言葉に涙を流す一場面もありました。
宇都宮氏は時折笑顔を交えながら会見しました。
市民と野党共闘の発展を目の当たりにしたことを強調するとともに、さらに強力な運動にしなければいけないと課題も指摘。
「市民と野党の皆さんと共にたたかった運動をさらに広げていきたい」と意欲を示しました。
海渡雄一選対本部長は、「選挙を通じて、市民と政党の気持ちが一つになっていく過程を感じました」と振り返りました。
事務所前では、支持者らが「ここでめげちゃいけない」と気勢を上げていました。
沖縄県から応援に駆け付け、17日間、宇都宮氏を追いかけて動画配信した男性(28)は「コロナ対策や都立大学の学費免除の話で足を止めて訴えを聞く若者が多かったと思います」と話しました。
40代の女性=渋谷区=は、コロナ対策でPCR検査を拡大しない小池知事を批判。
「コロナ禍で人命がかかっているから小池知事には当選してほしくなかった。やはり都のリーダーは、都政を研究している宇都宮さんがふさわしい。知事選の経験を受け止めて、次につなげることが大切です」と語りました。
「子どもたちや未来のために宇都宮さんの力が必要」と語る男性(50)=杉並区=は「宇都宮さんの公約の少人数学級や学校給食の無償化など教育に予算を増やすことは大賛成です。宇都宮さんは立ち止まる人じゃない。これからも一緒にたたかおうと声をかけたい」と話しました。
東京中央市場労組の中澤誠委員長は、豊洲市場では宇都宮支持は圧倒的だったと言います。
中澤氏は市民と野党の共闘について「4年前には考えられなかったほど、共闘の広がりを感じた選挙でした。次につなげることが大事。このまま持続できれば次は面白い」と語りました。
(2020年7月7日付「しんぶん赤旗」より)