日本共産党の志位和夫委員長は9日、国会内の記者会見で、同日、東京都内で新型コロナウイルスの新規感染者が224人確認されたことについて、直近1週間で10万人当たりの新規感染者数が6人を超え、緊急事態宣言発令の基準とされる5人を上回ったことを示し、「現状は非常に憂慮すべき事態だと考えます。政府に対し、感染状況の情報を開示するとともに、ただちに都と協議し、感染防止の実効ある措置をとることを強く求めたい」と表明しました。
志位氏は、政府の専門家会議が、直近1週間の10万人当たりの新規感染者数が2・5人を超えた場合には社会に対するさまざまな要請措置をとるとの基準を示していたと指摘し、今回の6人超の数値はこの基準をはるかに超えていると強調しました。
その上で、国立国際医療研究センター(新宿区)が7日、ツイッターで、6日までの新宿区内のPCR検査の状況や先週の陽性率が40%近くに達したことを示し、「緊急事態宣言が発出される前と状況が酷似しています。市中まん延が始まっていないか心配です」と投稿したことについて、「PCR検査の現場にいる国立の研究センターの発信としてきわめて重要です」と強調。国民への十分な情報の開示と説明、感染防止の実効ある措置が必要だと語りました。
さらなる自粛要請が必要と考えるかとの記者団の質問に対し、志位氏は、検査の実態や陽性者の全体像が分からないので「判断は難しいが」としつつ、政府の専門家会議が決めた基準をはるかに超えている以上、「業種や地域を限定し、徹底した補償と一体でのさまざまな自粛措置の要請は大いに検討すべき段階だと思います」と指摘し、「自粛を要請する場合には徹底した補償と一体で行うことは必須です」と述べました。
(2020年7月10日付「しんぶん赤旗」より)