日本共産党の小池晃書記局長は28日のBS―TBS「報道1930」に出演し、全国各地で感染が再拡大する新型コロナウイルスへの対応について医療関係者や自民党議員らと議論しました。
小池氏は全国の感染拡大について「東京や首都圏にとどまらず、愛知や大阪でも感染が広がっている」と指摘。感染者は若い世代の比率が高いが40~60代も増えてきていると述べ「非常に不安な要素がたくさんある」と強調しました。
政府が介護施設等に約8千万枚の追加配布を決めた布マスクについて議論に。自民党の田村憲久衆院議員は「いつまたマスクがなくなるか分からない。一定程度、備蓄が必要だ」と言い訳に終始しました。
小池氏は政府がマスクの追加発注を決めた6月22日には市場での品薄は解消されていたと指摘。
「追加分だけで132億円かかる。なぜこんな判断をしたのか徹底的に解明されなければならない」と批判しました。
また、布マスク配布事業費が総額500億円を超えていることを示し、「PCR検査センターの設置予算は366億円だ。布マスクに500億円使うより、どう考えてもPCR検査の拡充に回すべきだ」と主張しました。
インターパーク倉持呼吸器内科院長の倉持仁氏は、布マスクにはウイルスの感染を防御する役割はないと指摘したうえで「いま医療や福祉の現場で不足しているのは感染症対応のN95マスクや防護服だ。ニーズを分かっていない」と述べました。
番組では、名古屋市の20代女性が39.4度の発熱や嗅覚を感じないなどの症状があったにもかかわらず、保健所から「濃厚接触者が周りにいない」という理由でPCR検査対象外とされた事例を紹介。
田村氏は「これはガバナンスの問題で、国の方針が伝わっていない」などと述べました。
小池氏は「国の方針が間違っていた。最初は37.5度が4日間という基準があった。今度は濃厚接触者バリアだ。ガバナンスの問題だと言うがこれまで検査を抑制しようという方針を取ってきたのは政府だ」と批判。
政府は方針を転換したという明確なメッセージを示す責任があると述べ、「無症状の人も含めて、感染者が多発している地域では面として検査をしていくように、方針の転換をしないと解決しない」と指摘しました。
新型コロナ患者を受け入れている病院の厳しい経営状況について、倉持氏は「ボーナスも削られ医療スタッフのやる気がそがれている。財政的な支援が必要だ」と求めました。
小池氏は、受診控えで患者数が減る中で、さらにコロナの対応をすればベッド数や手術の回数を減らすことになり深刻な収入減になると指摘。
「コロナ対応の中核は医療機関なのだから『GoToトラベル』などの予算を回して、しっかり手当をするべきだ」と主張しました。
「予防接種やがん検診も減り、日本の医療が全体的に収縮している。これからの国民の健康状態も心配だ」として医療機関への大胆な財政出動を強く求めました。
(2020年7月30日付「しんぶん赤旗」より)
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