東京都医師会(尾﨑治夫会長)は30日、記者会見を開き、新型コロナウイルスの急激な感染拡大に対し、都内の医療機関1400カ所を目標にPCR検査を拡大すると表明しました。また、感染拡大の収束のため、国会をすぐに開いて対応するよう求めました。
会見で尾﨑会長は、コロナを収束に向かわせるためには
(1)無症状者を含めた積極的な隔離
(2)感染者・とくに無症状の感染者が集まり感染が持続的に集積する地域である「感染震源地(エピセンター)」での徹底した対応
(3)エピセンターから周囲への感染を防ぐ
の3点が必要だと強調しました。
隔離については「かなり効果があると思っている」と評価。一方、集団感染が多発している接待を伴う飲食店に関しては「まだまだ対策できていない」としました。
エピセンターへの対応について、「休業を『お願い』するだけでは日本全国が感染の火だるまに陥る」「今が感染拡大を抑えるための最後のチャンスだ」と危機感を表明しました。
その上で尾﨑会長は、ただちに国会を開いて十分な補償と罰則をともなう休業要請を可能にするため、新型インフルエンザ特別措置法を改定することを提案。「新型コロナウイルスに夏休みはない」として「今すぐに国会を召集して法改正を検討してほしい」と力を込めました。
休業要請の期間などについては「14日間くらい休業していただければ、そこでの感染は理論的には収まるはず。その間に地域の検査能力を結集し、いっせいにPCR検査を行う。そこにおける感染者がどのくらいいるのかを把握して対策を練ることが必要ではないか」と述べました。
都医師会は、民間検査機関だけではなく、大学や研究機関などにも協力を要請し、短期間に多くの検査を行うことを提案しています。開設までの期間は早ければ1、2カ月でできるといいます。検査については、医療従事者や介護関係者など「医学的に必要な人が受けられるようにすべきだ」との認識を示しました。
また、医療機関が治療の効率化と院内感染予防の徹底を図るため、都内で3000床程度の新型コロナ専門病院を設置する必要があると強調しました。
尾﨑会長は、安倍政権の対応について「不満がないとは言えない」として「日本を救うため、与野党を問わずに団結していただきたい」と語りました。
(2020年7月31日付「しんぶん赤旗」より)