日本共産党の小池晃書記局長は5日夜放送のBS―TBS番組「報道1930」に出演し、新型コロナウイルスの感染拡大のもとで、「GoToトラベル」キャンペーンを続けながら、野党が求める国会召集には応じない政府の姿勢などについて医療関係者や国会議員らと議論しました。
番組では、同キャンペーンに参加登録している長野県のホテルで、新型コロナウイルスの感染者が出たことを紹介。観光庁がこうした感染の実態を把握していなかったことが4日の野党合同ヒアリングで明らかになっています。
小池氏は同ホテルでの感染が確認されたのは7月31日で、8月2日までには感染の事実を県もホテルも発表していたことを示した上で、「観光庁は今日(5日)のヒアリングでもホテル名を把握していなかった。本当にあきれた話だ」と批判。「宿泊施設で感染者が出た場合に、保健所から観光庁に連絡する仕組みがない」として、いくら感染が出ても“GoTo”を止める仕組みがないのは大問題で、「このままではますます感染を広げる可能性がある」と指摘しました。
インターパーク倉持呼吸器内科院長の倉持仁氏は「(同キャンペーンが)感染拡大に“寄与”しているのは現場でも感じる。一度やめて根本的な対策を」と求めました。
小池氏は「そもそも政府は同キャンペーンを『感染症の流行収束後においてやる』と言っていた。全く収束しておらず、感染はむしろ全国に拡大している」と指摘。
人の移動によって感染が広がるのは間違いないとして、「いま県外に移動することを“奨励”するようなキャンペーンを1兆7千億円かけてやるのか。直ちに中止して、PCR検査の拡充に予算を使うべきだ」と主張しました。
野党が要求した早期の臨時国会召集を政府・与党が事実上拒否したことについても議論に。
小池氏は「政府は法案が出ていないから開かないと言うが、国会の役割は立法機能だけではなく『行政監視機能』がある」と強調。憲法53条に基づいて国会召集を要求した場合、召集に応じるのは内閣の法的義務だと指摘し、「これだけ大変な事態なのだから国会を開くのは当然だ。政府・与党には党派を超えて知恵を出し合い、コロナ対策を前に進めようという立場で野党の要求に答えてもらいたい」と強く求めました。
国民民主党の岡本充功衆院議員は「状況を国民に丁寧に説明し対策を取るのが首相の責任だ。だからこそ自民党からも声を上げてほしい」と訴えました。
(2020年8月7日付「しんぶん赤旗」より)