東京都が五輪選手村整備の名目で、中央区晴海の都有地(約13・4ヘクタール)を不動産会社11社に近隣地価よりも9割以上値引き売却したことは違法だとして、都民33人が舛添要一前知事、小池百合子知事らに約1500億円の損害賠償を求めた住民訴訟の第9回口頭弁論が18日、東京地裁で行われました。
原告代理人の千葉恵子弁護士は、白藤博行・専修大学法学部教授、岩見良太郎・埼玉大学名誉教授が提出した意見書をもとに意見陳述し、都有地投げ売り契約の違法性を指摘しました。
千葉氏は、都有地を売却する際に都財産価格審議会や都議会の議決を経ずに、法の規制をすり抜けて安値売却した違法行為を批判。
住宅約5600戸、人口数万人の大プロジェクトを都市計画事業ではなく、都が個人施行で第1種市街地再開発事業を行い、地方自治法など関連法律の適用を逃れた財務会計行為は違法であり、到底許されないと強調しました。
弁論後の会見で、原告代理人の淵脇みどり弁護士は舛添前知事、小池知事の証人尋問を申請したことを明らかにし、「公開の法廷で尋問を行い、事実を明らかにすべきだ」と述べました。
小池知事は2016年、東京ドーム2・9個分の都有地を129億6000万円(1平方メートル当たり9万6700円)に大幅値引きして11社に売買。このうち8社に都幹部OB15人が天下りしていることが本紙調査で判明しています。次回弁論は12月8日。
(2020年8月19日付「しんぶん赤旗」より)