東京都新宿区の労働組合や女性・業者団体などによる「コロナから命とくらしを守る新宿区民の会」は31日、PCR検査の抜本的拡充と感染状況の情報公開を求め、吉住健一区長宛てに要望書と2979人の署名を提出しました。
代表世話人の布施尚子さんは、新型コロナウイルス感染者が保育園・特養ホーム・中学校・コンビニなど多くの業種に広がる中で、「感染拡大を防ぐために無症状の人を含む希望者全員、特に医療・介護・学校関係など集団感染のリスクが高い職員への定期的な検査をしてほしい」と要望しました。
新宿がホームページで毎日の検査数・感染数・死亡者数などを掲載していないことを指摘。「詳細な実態を区民に知らせてほしい」と求めました。
応対した髙橋郁美健康部長・保健所長は、PCR検査について「発熱者の相談件数が減っており1日100件いかないが、決して断っているわけではない」「検査体制も徐々に充実し23区(特別区)の中でも引けを取らない」と述べましたが、情報公開については触れませんでした。
要請後、参加者が意見交換。ある介護施設で4月に陽性者が出た時、施設長が保健所に検査拡大をお願いしたら不要だといわれ、8月に新たに感染者が確認されたことがあった事例が紹介され、「私たちの声を聞いてれば感染防止ができた」と表明しました。
(2020年9月1日付「しんぶん赤旗」より)