安保法制(戦争法)の強行採決から5年となった19日、同法の廃止や改憲阻止、市民と野党の共闘で新しい政権をつくろうとアピールする行動が全国各地で行われました。
国会正門前では、総がかり行動実行委員会と「安倍9条改憲NO!全国市民アクション」が共催した行動に3500人(主催者発表)が参加。野党からは、日本共産党の志位和夫委員長、立憲民主党の辻元清美副代表、社民党の福島瑞穂党首が訴えました。
総がかり行動実行委共同代表の小田川義和さんが主催者あいさつ。「安倍政権の退陣は、9条改憲阻止、共闘を前進させてきた運動の反映であり、安倍政治の行き詰まりの結果です」と強調。
安倍政治を引き継ぐ菅政権に対して、「改憲策動に終止符を打ち、戦争法廃止、野党共闘による政権を私たちの力でつくりましょう」と呼びかけました。
「安全保障関連法に反対する学者の会」の上西充子さん(法政大学教授)は、国会前抗議に足を運ぶなかでさまざまな問題意識を持ち、街頭で「国会パブリックビューイング」を始めるきっかけの一つにもなったと紹介。「続けていくことが大事です。今日をスタートに新たな展開・発信を広げていきましょう」と語りました。
東京都世田谷区から参加した女性(77)は、「安倍政権は終わったが、国民も憲法も無視する政治を変えていくため、地域から共闘を進めていきます」と話しました。
志位委員長は、「いま、安保法制の危険をとりわけ深刻なものとしているのが、『敵基地攻撃』能力保有の動きです」と強調しました。
(1)「敵基地攻撃」とは、相手国の領域まで乗り込んでいって、ミサイル基地をしらみつぶしに攻撃することであり、
(2)政府は、安保法制による集団的自衛権の発動として「敵基地攻撃」を行うことを否定しておらず、「『安保法制プラス敵基地攻撃能力』は恐ろしいことになる」ことを、7月の河野太郎防衛相(当時)の国会答弁を引いて、具体的に告発しました。
「こんなものが憲法9条のもとで認められるわけはない。絶対に許してはなりません。この点でも安保法制を続けさせるわけにはいかない。きれいさっぱり廃止し、立憲主義を回復しよう」と訴えました。
5年前に「戦争法廃止の国民連合政府」を提案し、市民と野党の共闘で3度の国政選挙をたたかい、9条改憲を阻止し、今臨時国会の首相指名選挙で野党がそろって立民の枝野幸男代表に投じたことに言及。「いよいよ頂上―政権交代にアタックするところまできた」と力を込め、「政権交代をやって安倍政権の『負の遺産』をすべて一掃して新しい政治をつくるために頑張ろう」と訴え、拍手に包まれました。
(2020年9月20日付「しんぶん赤旗」より)