「墜落なら火の海に」/羽田新ルート 東京地裁で初弁論

羽田空港新ルート訴訟の第1回弁論後、原告らが開いた報告集会=28日、東京都千代田区(「しんぶん赤旗」提供)

国土交通省が3月末に開始した羽田空港の都心部低空飛行ルートの運用で、騒音や墜落、落下物事故の危険にさらされるとして、沿線住民が新ルートの取り消しを国に求めた訴訟の第1回口頭弁論が28日、東京地裁で行われました。

 訴訟は6月に提訴したもので、新ルート実施のための▽川崎市石油コンビナート上空の飛行制限を解除した東京航空局長の通知(昨年12月16日付)▽国土交通相が定めた羽田空港南風時の飛行機進入・離陸経路―が住民の生命、健康を害するもので、「行政の裁量権からの逸脱だ」としています。

 弁論では原告らが陳述。川崎市に住む男性は「川崎石油コンビナートは上空から物が落ちることを想定して造られておらず、大量の可燃性液体・ガスが流れている配管に部品が落ちれば、火災が発生する。飛行機が墜落すれば火の海になる」と指摘し、「無謀な航路は直ちにやめてほしい」と訴えました。

 渋谷区の男性は「静かな環境で暮らしていたのに、新ルートを飛ぶ飛行機でごう音と圧迫感を感じた。国は『地元の理解を得る』と言ったが、各区議会は『容認できない』などの決議を可決し、渋谷区の町会長の多くも反対している」と強調しました。

 次回弁論は来年2月5日の予定です。

(2020年9月29日付「しんぶん赤旗」より)

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