一般質問(9月30日)には、日本共産党から河野ゆりえ都議が立ちました。江戸川、荒川、隅田川などに面し、地盤が満潮時水位より低い東部低地帯の国・都の水害対策について、住民を追い出す高規格堤防(スーパー堤防)をやめるよう小池知事に求めました。
ハザードマップ(被害予測地図)によると、東部低地帯が浸水すると2週間水が引かず、被災者が250万人に及ぶリスクがあります。国と都で構成する「災害に強い首都『東京』の形成に向けた連絡会議」は9月9日、水害に備えて高台まちづくりを推進する考えを示しました。
それによると河川沿いの区域をかさ上げして国の高規格堤防、都企画のスーパー堤防を建設することや、公園の盛り土、高層建築物の創出で避難路、避難場所の確保につなげるとしています。これに対し、地元自治体からは、「現実性がない」「相当な時間を要する」など、厳しい意見や懸念が続出しています。
河野都議は国と都が打ち出している堤防近くの住宅地を広範囲に盛り土する高規格堤防計画について、「荒川、中川、江戸川で造れば200年、2・7兆円かかる。非現実的だ」と指摘し、既存堤防の補強などに切り替えるよう提起。浸水対策については、下水道整備による対策を提案。建物上階層に避難する「垂直避難」の備えが必要だとして、都営住宅建て替え時に集会所を上層階に設置することなどを求めました。
小池知事は高規格堤防建設など「高台まちづくりを進める」と答弁。和賀井克夫下水道局長は、江戸川区役所周辺の2カ所で貯留量合計2500立法㍍の貯留管を整備していると説明。時間75㍉の降雨があった際の下水道整備の効果を検証し、その結果を踏まえ「着実に対策を進める」と答弁。榎本雅人住宅政策本部長は都営住宅の上層階への集会所設置について、「地元から要望があれば協議に応じる」としました。
建設労働者の支援
河野都議はコロナ禍で暮らしも仕事も大変になっている建設労働者への支援を求めました。
ある国保組合では7、8月の国保料の減免申請件数が900件弱だったのが、9月半ば時点で1500件にのぼっています。河野都議は、こうした深刻な実態を示し、建設労働者の生活実態の把握と、国民健康保険組合への支援を求めました。
潮田財務局長は「適正な下請け代金支払いなど実態把握に努める」、吉村憲彦福祉保健局長は「国保組合は被保険者の健康保持増進に尽力している」との考えを示しました。