本紙(しんぶん赤旗)取材で判明
森ビル、フジテレビ、三井住友銀行の大手3社が、東京・臨海副都心にカジノを中核とする統合型リゾート(IR)を含む開発計画提案書を東京都に提出していたことが19日、明らかになりました。都はアジアヘッドクオーター特区(AHQ特区)の次期計画に提案を盛り込むかどうか検討していることを認めました。
本紙は都に対し、IR関連業者らから受けたカジノ提案書の開示を請求。都の戦略政策情報推進本部が保有する3社・5件の提案書を入手しました。
3社は、都が主催する官民連携組織「アジアヘッドクオーター特区地域協議会」(都と9区、大企業など30団体・個人で構成)の会員。2016年12月から18年3月にかけて森ビルとフジテレビが各2件、三井住友銀行が1件のIR誘致策を都に提案。フジは三井不動産、鹿島建設、日本財団の4社グループ代表として、IR・MICE(国際会議場・展示場)を共同提案しました。
提案書の表紙は「東京が真にグローバル都市になるためにすべきこと」(森ビル)、「臨海副都心における国際観光拠点の実現」(フジ)とし、「規制緩和」「税制支援」などの項目を除く具体的な提案内容は黒塗りでした。都はその理由を「当該事業者の競争上・事業運営上の地位を損なう」としています。
都と協議会は現在、21年度以降のAHQ特区計画を検討中。都の戦略政策情報推進本部は「計画は来年3月までに策定し、国の認定を受ける想定。IRを含めて検討中」としています。
アジアヘッドクオーター特区 政府が承認した国際戦略特区の一つ。2012~20年度に外国企業400社以上を東京都心・臨海地域など6地域に誘致し、税の減免や補助金など破格の優遇措置を講じる計画です。
(2020年10月20日付「しんぶん赤旗」より)