外環道工事真上陥没事故/住民の訴えから(上)

国交省(右)に訴える住民(左奥)ら=23日、参院議員会館(写真提供:新聞赤旗)

日常保障して/第三者委早く

東京調布市の道路陥没事故(10月18日)は地下トンネル道路、外環道工事(練馬区~世田谷区)の真上で起こりました。事故を受けて工事沿線住民が国土交通省に緊急に申し入れしました。住民の訴えを紹介します。


7年前に発足した調布市・狛江市・世田谷区の住民でつくる「野川べりの会」の女性

事故当時、私は近隣の方と現場に駆けつけました。穴は大きく口を開いていて、濁った水がたまりむき出しの土が見えていました。

子育てや、介護が必要な人も家族そろって安心して生活ができることを保障してもらいたいです。自宅は誰にとっても一番安心できるねぐらです。この当たり前のことが今の私たちにはありません。

陥没現場は住宅街です。穴は埋め立てられたけど近隣の方は安心でしょうか。元の平穏な日常生活は保障されるのでしょうか。

今年シールドマシン(掘削機)が調布市に入ってから100件以上の苦情がでて、騒音、振動、低周波によると思われる不快感が寄せられました。事業者に伝えられたにもかかわらずそのまま放置されてきました。

私たちは7年間、事業者に陳情や要請文をだしてきました。でも一度も返事をくれたことがない。(事業者は)大深度法で地上の住民には迷惑をかけない、地下40メートルより深ければ補償がないのはそのためですと説明してきました。

いま住民は恐怖にとらわれ、死と隣り合わせの暗い日々となっています。二度とこのような事故を起こさないために、事故原因を究明し、住民説明会を開き、住民の納得が得られるまでは工事を再開させないと約束してください。お願いします。

調布市在住の女性

私たちは何年もまえから陥没の危険や振動、騒音の心配を何度も事業者に質問してきました。その時には「仮定の問題には答えられない」と言い、都合が悪くなると「持ちかえって検討する」とか、一度も質問に答えられたことがありません。

結局、住民に寄り添わない姿勢が今回の事を招いたんじゃないですか。

この事業者を住民の安心と安全が確実にわかるまで絶対に動かさないで。命の保障をしてください。それが事業者として当たり前のことです。

あなた方(国交省)が大切なのはトンネルだけなんです。トンネルに何かあったら大変なんだろうけど、上に住む住民なんかどうでもいいんですよ。ですから住民の質問をはぐらかしてきた。

今後こういう姿勢は決して許されません。住民をいれた(事故調査の)第三者委員会を立ち上げてください。

(2020年11月3日付「しんぶん赤旗」より)


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