住民が調査 「将来不安」も顕著
東京都調布市の東京外かく環状道路(外環道)のトンネル工事直上で道路が陥没(10月)し地中に空洞が見つかった(11月)問題で、周辺住民でつくる「外環被害住民連絡会・調布」は27日、工事の被害状況を独自に調査した結果を発表しました。ドアや床の傾き、コンクリートのひび割れなど「構造物被害」が58軒。騒音や振動を感じたなど「体感的被害」は102軒でした。
同会は掘削機のルート上や周辺住宅308軒に調査票を配布。132軒が回答し、回答率は42.8%でした。
現在、将来にわたる不安も顕著でした。空洞・陥没の可能性の危険性については89%、地盤沈下の可能性86%、資産価値の低下は91%の人が「不安がある」と答えています。
住民は「ドンドン下から突き上げるような鈍い音が一日中続き、ガラスが振動し始め恐怖を感じた」「外壁のヒビ割れ、車庫内コンクリートのヒビが伸びている。左右の門の位置がズレている」などと被害を訴えています。
事業者の東日本高速道路(ネクスコ東日本)は、陥没とトンネル工事との因果関係を認め、家屋被害について個別に補償するとしています。
同会は「高齢者の1人暮らしも多く身の回りの変状に気づくのが難しい。実際の被害件数はもっと多いと思う。ネクスコは騒音・振動・低周波音の苦情が多発した時期に、掘削機のトラブルがありながら工事を続けた。深刻な健康被害についても補償すべきだとの怒りの声が出ている」と話します。
(2020年12月29日付「しんぶん赤旗」より)