貧困問題に取り組み、生活困窮者を支援する約40団体でつくる「新型コロナ災害緊急アクション」は3日、東京都千代田区の聖イグナチオ教会で「年越し大人食堂」を開き、食料の配布と生活・労働・医療などの相談会を行いました。
ボランティアのスタッフが炊き出しを行い、弁当や野菜などを配布。住まいを失った人や子どもを連れた女性、外国人など300人以上が訪れ、容器に入った温かい食べ物を持ち帰りました。
昨年12月上旬に勤務先の会社を解雇された板橋区の男性(59)は、支援団体の紹介で大人食堂を訪れました。「新しい仕事を探しているところですが、年末年始はハローワークが閉まっているので動けません。食費が節約できて助かった」と語りました。
北区の自宅から歩いてきた男性(50)は「生活保護を利用していますが、生活が苦しいので各地の炊き出しを回っています。貯金がないので暖房機器を買うこともできません。政府は生活保護費を削減するなど、困っている人に冷たすぎる」と話しました。
一般社団法人「つくろい東京ファンド」の稲葉剛代表理事は、相談者には女性や若者の姿が目立つとして「新型コロナウイルスの影響で非正規労働者の解雇が広がり、年末年始に仕事を失う人もいるなど深刻な状況です。一人でも多くの人を公的支援につなげていきたい」と話しています。
(2021年1月4日付「しんぶん赤旗」より)