日本共産党の志位和夫委員長は21日、衆院本会議の代表質問で、今夏の東京五輪を中止し、「日本と世界のあらゆる力をコロナ収束に集中するべきだ」と主張しました。
志位氏は、今夏開催の重大な問題点を三つ挙げました。
第一に、ワクチンの問題です。一部の国でワクチン接種が始まったものの、今年中の世界全体での集団免疫の達成は「ありえない」との世界保健機関(WHO)主任科学者の発言を引用し、「ワクチンを頼りに開催を展望することはできないのではないか」とただしました。
第二に、「フェアな大会」の問題です。各国の感染状況の違いによる練習環境などの格差、ワクチン接種での先進国と途上国の格差を挙げ、「『アスリート・ファースト』の立場からも開催できる条件はないのではないか」と述べました。
第三に、医療体制の問題です。大会期間中、熱中症対策で5千人の医療従事者が必要だとされるなか、コロナ対策も加わるとして「半年後に多数の医療従事者を五輪に振り向けるのは現実的ではないのではないか」と力を込めました。
志位氏は「開催国の政府として、『五輪開催ありき』ではなく、ゼロベースから開催の是非を再検討し、東京都、組織委員会、IOC(国際オリンピック委員会)などとの協議を開始すべきだ」と求めました。
(2021年1月22日付「しんぶん赤旗」より)