作家の小林多喜二が特高警察に虐殺されて88年に当たる20日、「第33回 杉並・中野・渋谷多喜二祭」が東京・中野で開かれ200人以上が参加しました。
俳優・青山憲さんによる「東倶知安行」の力強い朗読に続き、作家・雨宮処凛さんと日本共産党都議会議員の原田あきらさんが、「コロナ禍で何が起きているのか」を語り合いました。昨年3月に貧困問題に関わる緊急ネットワークを発足させた雨宮さんは、連日のように寄せられた相談から、極度の困窮が広まっていることを紹介。原田都議は、コロナ対策に有効な手を打っていない都政を告発。2人は、長年の雇用破壊がコロナ禍のもとであぶり出されたことを指摘し、そのもとでも若者たちの新しい連帯がうまれていることへの希望を語りました。
中川美保さんの、平和への願いをこめたサクソフォン演奏に続いて、日本共産党の紙智子参院議員が「小林多喜二の生き方に学ぶ」と題して記念講演に立ちました。紙議員は、19歳のときに読んだ「蟹工船」の鮮やかさ、紙議員の夫が多喜二の母・セキさんに入党を勧めた思い出などを紹介し、表現の自由を奪われた時代のなかで書き続けた作品の魅力を語り、残虐な拷問に遭っても節を曲げなかった多喜二に報いるためにも、新しい政権を市民と野党の共闘でつくることをよびかけ、大きな拍手を浴びました。
(「しんぶん赤旗」2021年2月21日付より)