日本共産党の山添拓議員は17日の参院資源エネルギー調査会で、東京電力福島原発事故の損害賠償請求権の時効問題について質問し、原発事故から10年を迎え、東電に対し、最後の一人まで賠償に応じるよう迫りました。
原発事故の時効特例法は、民法で3年と定める賠償請求権の消滅時効を「損害及び加害者を知った時から10年」と定めています。
山添氏は、東電が「時効を理由に一律に損害賠償を断ることは考えていない」としていることをあげ、個別の事情で時効を主張して賠償を拒む場合もあり得るのかと質問。東電は「時効を理由に請求を断ることは考えていない」と答弁しました。
山添氏は、東電が13年12月に「最後の一人まで賠償貫徹」「迅速かつきめ細かな賠償の徹底」「和解仲介案の尊重」などの「三つの誓い」を約束したにもかかわらず、ADR(裁判外紛争解決手続)の集団申し立てで和解案を軒並み拒否した実態を示し、「時効にも懸念が広がっている」と批判。東電が策定中の第四次総合特別事業計画に、「時効を理由に拒むことはない」と明記するよう指導すべきだと主張しました。
経済産業省の宗清皇一政務官は、「公正で迅速な賠償ができるよう東電を指導していく」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2021年2月22日付より)